幹事クリタのコーカイ日誌2011

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8月5日 ● レディースの話。

 昨日いつもテニスをしている名古屋の東山公園テニスセンターに行ったらレディースの大会が開催されていました。草テニス界でレディース大会と言えば大半はこのように平日昼間に行われます。当然参加できるのは仕事もしていないし子育ても終わった奥様たちということになります。草テニス界における「レディース」というのは、「淑女」という意味ではなく、また若い女性の暴走族のことでもなく、主に40代〜60代の奥様たちのことを指します。

 平日の昼間にテニスを楽しんでいる膨大な数の奥様たち。「ダンナは会社でこき使われているのに昼間っからテニスだなんて良いご身分だな」などとよく揶揄されていますが、彼女たちはそのダンナのために夕方以降や土日はテニスをせずに家にいるのだし(まあ中には土日も関係なくテニスしている猛者もいますが)、彼女たちが土日や夜にテニスをし始めたら、我々サラリーマンとバッティングしてコートの奪い合いになってしまうので、僕たちとしては棲み分けができている方が助かります。それに草テニス界の男性陣は「オバテニ」と呼ばれるレディースの人たちとはあまりテニスをしたがりません。まるで違うスポーツのようなテニススタイルなので、噛み合わずにあまり楽しくないからです。

 ただ、こうしたレディースたちが、いつまでこの状況を維持できるのか、甚だ疑問ではあります。僕の記憶ではこうした「レディース=平日昼にテニスをする専業主婦」が増えたのは1980年代以降だと思います。1970年代後半の爆発的なテニスブームを経験した若い女性たちが結婚して「寿退社」をして専業主婦になり、暇な昼間にラケットを握ったのは1980年代後半のバブル期。そこからこの2000年代までずっとレディース人口は維持されてきました。

 しかし、これからの時代に子育てもしていないのに家庭にいる専業主婦というのは、かなり特権的な階級になると思います。経済的な側面からはもちろん、精神的にも専業主婦志向は減りつつあるでしょう。女性もキャリアを大事にしたいと思えば、結婚はもちろん出産をしても職場復帰を目指すことでしょうし、そうなると平日昼間にテニスをする奥様がどんどん減っていくのも当然です。レディーステニスの人口は今後減少の一途を辿り、そのうちレディース大会を平日昼間に開催しても参加者が集まらなくなってきます。

 今でも仕事を持って働いている女性たちは、こうしたレディース大会にはなかなか参加できません。テニスをする女性は平日仕事を休めということかと考えると、これもジェンダー的には女性差別と解釈できることでしょう。いまレディース大会参加者の下限である30代後半の女性たちが50才になる2020年代には、かなり今とは様相が変わっているだろうと予言しておきます。その頃に平日昼間にテニスをしているのは50代以上の孫がいそうな女性と、定年退職した年金暮らしのオジイサンばかり。そう、2021年に60代になる僕のことですけど。その頃にはレディース大会に変わってシニア大会を平日昼間に開催してくれれば、人が集まるんじゃないかなと思います。




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