幹事クリタのコーカイ日誌2011

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8月4日 ● 代表漏れした「なでしこ」の運。

 なでしこジャパンに国民栄誉賞が授与されることが正式決定しました。もちろんそれに相応しい活躍だったし、僕としても当然だと思います。「国民栄誉賞」自体に対しては、これまで時の政権の人気取りに利用されてきたわけで、その選考基準の曖昧さなどに疑問がないわけではありませんが、今回はそれについては敢えてスルーします。

 今回、国民栄誉賞としては初めて団体での受賞となりました。僕は当初得点王でMVPの澤が国民栄誉賞になるのかな、それはサッカーという競技には似合わないなと思っていたので、団体での受賞は英断だと思いました。澤が昨年までワシントンでプレーしていた時に、チームと噛み合わず思うように活躍できなかったという話を聞いているだけに、やはりいくらスーパースターでもファンタジスタであっても、一人ではサッカーは勝てないのですから、今回の栄誉はまさに「なでしこ」たちのものです。

 ただ、これは仕方ないことではあるのですが、僕は今回W杯の代表メンバーに選ばれた選手だけが全ての賞賛と栄誉と報酬を得ることに若干の違和感を感じています。いや、違和感とも違うのかも知れません。どこで線を引くかと言ったら、それは今回の代表チームのメンバーで線を引くしかないのですから、僕も当然だと頭ではわかっています。でも、代表に選ばれなかった選手たちにどうしても気持ちが向いてしまうのです。

 代表メンバーたちは金メダルを獲得し、国民栄誉賞をもらい、協会からの報奨金を受け取り、テレビに出てスター選手扱いされています。しかし、紙一重で選ばれなかった、代表漏れした選手たちには何もありません。澤や宮間や石清水のような代表でも軸となっていた選手はともかく、ギリギリで代表に入った選手と漏れた選手の間にある差はほんのわずかだったろうに、その結果は天と地ほどの差ができてしまいました。3年前、北京五輪で4位になった時のなでしこには何もありませんでした。今回の優勝と北京の4位の差。結果とリターンの落差の大きさに、僕は「運」というものを感じざるを得ないのです。

 もちろん、僕の言っていることは「仕方ないこと」です。頑張ったのは代表メンバーなのですから、彼女たちに大きなリターンがあるのは当然です。なでしこリーグ全選手に何か渡せということでもないし、なでしこリーグに注目が集まり観客が押し寄せていることだけでも、代表漏れした選手たちにとっては良いことです。今後の競技人生に対しての大きな励みにもなるでしょう。だから文句を言いたいわけでもなく、ただほんのわずかの差で栄誉を逃してしまう人たちに想いを寄せているだけです。




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