幹事クリタのコーカイ日誌2011

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6月8日 ● 大連立のメリット。

 民主党と自民党の両幹事長が「大連立」に前向きのようです。2大政党がくっつけば震災復興のための法案成立をスピーディに進めることができる、というのが大義名分のようですが、なんでもかんでも復興を振りかざせば良いというものではないでしょう。ちょっと前の「環境」と同じで、大義名分さえあれば誰も反対できないと思っているのではないでしょうか?

 「大連立」することによるメリットは、政治家の幹部連中が選挙のことを気にしなくても良いということです。同じ釜の飯を食う仲間になってしまえば、何でも政治家同士の話し合いで物事を決めることができます。首相を選ぶのも増税するのも憲法改正するのも思うがまま。いちいち選挙民の意向を問わなくても良いのですから、後は自分の子分さえ増やしていけば大丈夫。かつての自民党一党独裁政権下と同じです。派閥の領袖が数をバックに密談して物事を進められるようになります。

 困るのは少数政党。なにせ第3勢力というのは、拮抗しているライバル関係の間に入ってキャスティングボートを握るからこそ意味があるわけで、公明党などはそれでここ10年自民党とうまくやってきたわけです。ところが民自大連立となったら公明党に用はありません。もちろん民主党と国民新党の関係も終わり。逆に言えばもう少数政党の言うことを聞かなくても済むわけですから、民主党、自民党にとっては「大連立」はメリットが大きいわけです。

 一番困るのはもちろん国民です。なにせ選挙で意思表示することができなくなります。「大連立」が成立したら投票率は激減するでしょう。選択肢のない選挙に誰も行きたくありません。下手をすれば中国のような一党独裁になりかねません。

 震災復興法案を通すだけなら、わざわざ連立をしなくてもきちんと両党がすりあわせていけば良いだけのことです。本当は民主党は次の選挙で負けることは必至だからこそ引き分け狙いでの大連立でしょうし、自民党は民主党が解散しない限りいつまでも野党なので大連立して早く与党入りしたいのでしょう。結局両党の議員にとってみれば政権の座にしがみつきたいだけなんだと思います。まあ目先の欲でくっついたところで、すぐに別れることになるだろうという予測はつきますから、あまり「独裁政権だ」などと心配しなくても良いのかも知れませんが。割れる時に政界再編が進む可能性もありますし。




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