幹事クリタのコーカイ日誌2011 |
6月6日 ● 最強の盾が最強の矛を砕いた。 全仏オープンを締めくくる男子シングルス決勝戦。宿命のライバル対決であるナダルvsフェデラー。しかし今回もまたナダルの勝利で終わりました。もちろん試合前からナダル優位は動きませんでした。数年前のフェデラー全盛時ですらレッドクレーの上ではナダルに勝てなかったのに、30才を目前にして衰えが目立ち始めたフェデラーではナダルに太刀打ちできるとは思えません。 ただフェデラーは準決勝のジョコビッチ戦で全盛時以上とも思える素晴らしいテニスをしました。もし決勝でもあのテニスをすればナダルと言えども撃破できるのではないかという期待はありました。フェデラーの攻撃力は未だにナンバー1であることをジョコビッチ戦で遺憾なく発揮してみせたのですから。 しかしナダルの守備力もやはりナンバー1でした。第1セットからフェデラーが攻め立てるのをしぶとくしぶとく返していきます。フェデラー優位で5-3のセットポイントまでいきながら、そこからナダルは持ち前の驚異的な粘りで逆転、このセットを奪ってしまいました。 フェデラーも本当によく戦いました。しかし2セット目以降肝心なところでやはりミスが出ます。それは本来なら決まっているはずのウィニングショットをナダルが切り返してくるからです。それをさせないためにさらに厳しく攻めていけばミスも生まれます。2セット目をタイブレで失い、3セット目こそ辛うじて奪うことができましたが、4セット目はもう息切れしてしまいました。攻めて攻めて攻め続けたフェデラーを守り抜いてカウンターを浴びせるナダルが完全に仕留めました。2005年〜2008年までの戦いと同じパターンです。今回もまた最強の矛を最強の盾が打ち砕いたのです。 とは言え、フェデラーの復活は嬉しいニュースです。これだけのテニスができるのなら、2週間後のウィンブルドンではフェデラーが本命と言っても大丈夫でしょう。芝の上なら矛の威力は倍増ですから。ますます楽しみになってきました。
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