幹事クリタのコーカイ日誌2011

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5月24日 ● 三谷幸喜と小林聡美の離婚。

 世の中に溢れる芸能ニュースほど、どうでも良いニュースはありません。二宮和也と佐々木希が熱愛だの、矢口真理が身長47.5cm差結婚だのと、本当にどうでも良いことです。ただ我々の「ゴシップ好き」の欲求を周囲に求めて身近な人のプライベートをあれこれ詮索するよりは、芸能人で満たしておいた方が平和なので、そういう点では芸能ニュースも全く無意味な存在ではないのかもと思います。と言うか、単純にネタとして面白いですからね。

 そんなどうでも良い芸能ニュースのひとつに「三谷幸喜と小林聡美の離婚」があります。芸能人が離婚しようが何の関係もないどころか、そもそもこの2人が結婚していたことすら知らない人も多いでしょう。ただツイッターで僕のタイムラインには結構な数の人が「ショック」だと書いていたので、むしろ僕はそのことに興味を持ってしまいました。ショックを受けているのは中年の男女(特に女性)に多いようです。なぜか?

 三谷と小林の離婚にショックを感じる心理には、この2人の夫婦関係が「理想的」だと思える何かがあったからでしょう。特に女性からしたら小林聡美というのは美人ではないけれど、才能があって知的で品があって、しかもお高くとまっているわけでもなければ澄ましてもいない、普通のオバサンのようであってそうじゃない、そのあたりが身近に感じられて好感を持たれているのではないかと思います。黒木瞳にはなれなくても小林聡美の路線ならいけるという気になれるし、だからこそ日常的な主婦向け商品のCMにもよく起用されるのです。

 そんな小林聡美の相手として三谷幸喜というのも理想的なのでしょう。才能があって面白くて優しくて家事も手伝ってくれそうで、しかもイケメンでもないから浮気もしなさそう。ドキドキはしないけれど安心できるダンナさんとしては理想的よね、というイメージ。確かにこの2人はこれまでそういうイメージで夫婦としてやってきましたから、受け手がそう思うのも無理はありません。

 ただ、それはあくまでも芸能人の「イメージ作り」です。中年夫婦には他人からは窺い知れない葛藤が必ずあります。普通の一般家庭でもそうなのですから、まして双方が才能に溢れ、仕事で忙しく働き、なおかつ子どももいなければ、すれ違いも増えるし会話も少なくなることでしょう。経済的には2人とも離婚しても何も困らないのです。よほど夫婦関係を維持するための努力をしない限り、離婚に辿り着くのは僕からしたら必然だとすら思えます。

 三谷は僕と同年生まれ、今年で50才です。離婚するタイミングとしてはリミットかな、と考える年齢でしょう。これ以上年を取ったら体力的にも衰えるし、やり直すのもしんどいけど、今ならまだ新しいこと(=再婚)にチャレンジできると思う年齢です。決定的にダメという理由があるなら、いくつになっても離婚することでしょうが、少しずつ食い違ってきてズレが広がってきた場合なら、年齢的な区切りというのは別れる後押しになると思います。

 普通の中年男性が離婚を考えても実行できないのは、ほとんどが経済的な問題(自分だけではなく妻の側も含めて)と、子どもの問題でしょう。三谷にはそのハードルがありませんから、離婚しようと決めたら話は簡単です。2人の離婚を聞いて「やっぱりな」と僕が思ったのは、三谷が連載している朝日新聞のコラムに小林の話がほとんど出てこなくなっていたからですが、自分や周りの同年代の男性に重ね合わせると、何となく三谷の気持ちがわかるような気がするからでもあります。

 もっとも、以上はあくまでも夫の側からの話であって、妻がどう思っているのかは別です。小林はこの離婚でCMを降りることになるかも知れませんから、それなりのダメージはあると思います。そして、一般的なサラリーマン家庭の場合は、もう10年先、夫が60才で定年を迎える時が、妻から離婚を切り出すタイミングみたいですから、そこがまたひとつの山場なんでしょうね。その頃には夫はもうヨレヨレなんで「今さら?」なんですけど、妻はまだまだ元気ですから。僕も10年後が心配です。




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