幹事クリタのコーカイ日誌2011

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5月17日 ● お笑い史上最高の一発ギャグは?

 ニッカンスポーツコムが日刊スポーツ紙上と合同で「お笑い史上最高の一発ギャグは?」というアンケートをやっています。タイトルだけ見た時は「どうせ最近のお笑い芸人のギャグが対象なんだろうな」と思ったのですが、選択肢を見たら、1950年代初頭のバンジュン(伴淳三郎)の「アジャパー」からあったのには少し驚きました。

 僕はいま50才ですから「アジャパー」やトニー谷の「さいざんす」はさすがに生まれる前のギャグではありますが、子どもの頃にもまだ使われていましたから知っています。牧伸二の「あーやんなっちゃった」や藤田まことの「当たり前田のクラッカー」は実際に幼稚園でよく使っていました。クレイジーキャッツ、ドリフターズ、コント55号など、1960年代〜70年代の小学生の頃に見ていた一発ギャグは強烈に印象に残っていて、未だにひょいと出てきてしまいます。

 マンザイブームの1980年代の一発ギャグである「コマネチ!」「知っとるケ」「もみじまんじゅう」の頃は大学生でしたが、この頃の最先端のスピード感溢れる笑いは自分たちに向けての笑いであると感じていたのでかなり親近感があります。特に星セント・ルイスの「田園調布に家が建つ」は新しい笑いが出てきたなぁと驚いたものでした。

 最近のお笑いブームでは一発ギャグだけの芸人が目立ちました。中では小島よしおの「そんなの関係ねぇ」は秀逸だと思います。単なるかけ声ではなく、関係性を強引に断ち切るフレーズに「いま」という時代性を感じ取ることができたからです。

 こうやってまとめて振り返ると、それぞれに思い出があって懐かしいのですが、僕にとって最高の一発ギャグは「当たり前田のクラッカー」です。40数年経た今でも、つい「当たり前田のクラッカー」と言いそうになるからです。それだけ深いところにまで突き刺さっているギャグだと言えるわけで、「マイベスト」は迷わず決定でした。

 もっともどんなジャンルであれ「オールタイムベスト」を決めるのは難しいものです。世代によって必ず思い入れが違うし、新しいものの方が印象が強い、古いものの方が神格化されている、というどちらにもバイアスがかかるからです。沢村栄治と金田正一とダルビッシュ有の誰が一番か、なんて話は、楽しいですが本当は無理な比較です。この選考も投票する世代の偏りが大きく選考に影響するでしょうが、どの一発ギャグが「史上最高」に選ばれるのか、ちょっと楽しみです。




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