幹事クリタのコーカイ日誌2011

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4月20日 ● 『BOSS』も『仁』も面白い。

 この春ドラマで必ず見るぞと決めた続編2本『BOSS』と『仁』ですが、ともにやはり高いレベルでまとめてきた感じでした。ただどちらかというと、手堅くきたのは『仁』で、『BOSS』は少し攻めてきたかなという印象。『仁』は原作があって今回完結編ということになっているので、すでに決められたレールの上を走っています。それだけにしっかり計算して作り込まれていて、完成度の高さはさすが。高視聴率を取るだけのことはあります。その代わり、前作からの「伸びしろ」はあまりない感じで、本当に続編という感じがしました。

 それに比べて『BOSS』は前作で自信をつけたのか、今回はさらに弾けてより作品の個性を伸ばす方向にチャレンジしています。独特のギャグタッチのおふざけパートもさらに徹底しているし、映像の凝り方もグレードアップ。出演陣のキャラの立ち方も半端じゃありません。そこまで過剰にして良いのかというくらい、自信たっぷりなケレン味のある演出です。

 加えて2年前よりも脇役の俳優陣が大きくなっています。戸田恵梨香、溝端淳平、吉瀬美智子らが主役クラスに成長したのでキャストの豪華さがたださえ際立っているのに、さらに新たに釈由美子、長谷川京子、成海璃子、西田敏行、大森南朋らを投入しているので、まるで大河ドラマかというようなオールスターキャスト感。制作費もたっぷりかけて見応えのあるサスペンスドラマになりそうです。

 ただマニアックでファンを選びそうな『BOSS』に比べて、より幅広い視聴者層に受けそうなのは『仁』。こちらももちろん豪華キャストですが、やはり内野聖陽の龍馬が相変わらず飛び抜けて素晴らしい出来。NHK大河の福山雅治の龍馬を間に挟みましたが、前に見た時も後になってこうして見ても、やはり龍馬は内野の演じるような人だったのではないかというリアリティがあります。

 大河ドラマ『江』も『仁』も時代考証については同じくらいしっかりやっている(もしくは同じくらい崩している)だろうに、どうしてここまでリアリティに差がつくのかと考えると、まさに脚本、演出、演技、すなわち「ドラマ力」の差としか言いようがありません。嘘をいかに本当らしく見せるかがフィクションを作るものの力です。嘘を嘘くさいとしか感じさせないNHKスタッフは『仁』を見て反省した方が良いのではないかと思います。




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