幹事クリタのコーカイ日誌2011

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4月17日 ● アニキ金本を殺した真犯人は誰か?

 事件が起きたのは15日夜のことでした。場所はナゴヤドーム。1766試合連続出場という、あの鉄人衣笠祥雄の2215試合に続く史上2位の大記録を更新中のアニキこと金本知憲の打席。8回2死から代打で出場した金本はこれで1767試合に記録を伸ばすことはほぼ確定的でした。衣笠まではまだはるか遠いとは言え、現役である限り記録への挑戦は続きます。

 2球目。一塁に四球で出塁していた走者の俊介がいきなり2盗を試みました。しかし捕手谷繁の強肩の前にあっさり盗塁失敗。8回の阪神の攻撃は終了してしまいました。金本は打席不完了のため、試合出場とは認められません。次の回の守備に金本はつかず、そのまま試合は終了。阪神は鬼門ナゴヤドームで勝ちましたが、金本の連続試合出場記録は途絶えてしまいました。衝撃の結末です。

 真弓監督は「セーフになると思って走ったんだろうけどね…取り立ててサインは出してない」とのこと。金本は「笑えたくらい。盗塁にはびっくりしたけど」と気にしないふり。相手チームの落合監督も谷繁も「盗塁は考えられない」と言います。確かにあの場面、打者が金本でなくても走る意味はありません。まして金本の記録のことはみなわかっていて、それで代打で出てきているのですから、それを帳消しにしてしまった俊介の盗塁は「笑えたくらい」に常識からかけはなれています。

 さて、この事件。直接的な加害者は俊介です。それはケネディ大統領を暗殺したのがオズワルドだというよりも確か。しかし、事件の裏にはどんな黒幕がいたのか、そこがポイントです。普通に考えたらあの場面で俊介が自分の判断で盗塁を試みるとは考えにくい。彼は「ノーサインか?」という質問に絶句したそうです。つまり、この事件には「盗塁死教唆」の真犯人がいるのではないかと考えられます。

 では動機は何か?金本の記録が途絶えて得をするのは誰か?容疑者の一人目は衣笠です。いくら自分の記録からまだ遠いとは言え、あの金本のことです。まだ3〜4年は現役を続けてしまうかも知れません。今のままなら4年後には衣笠の記録を抜けるのですから動機はあります。ただ実行犯である俊介と衣笠を結ぶ線が見つかりません。強いて言えば俊介は広島の広陵高校出身。広島カープOBである衣笠と広島つながりで知己である可能性はゼロではありません。

 もう1人の容疑者は阪神・真弓監督です。連続試合出場記録というのは監督にとっては重荷だと思います。記録が続いている間は、どんなに調子が悪くても、金本を使わなければならないからです。落合監督くらい割り切った人間なら、ズバッと切ることはできるかも知れませんが、真弓監督にはそこまでの決断はできないでしょう。しかしシーズン終盤で優勝争いをしている大事な時期に、金本の記録のために用兵を誤ることがあるかも知れません。また夏場に疲労した金本を休ませて秋に備えさせたくても休ませることもできません。だから俊介を使って、まだシーズンが始まったこの時期にわざと記録をストップさせたということは考えられます。責めは俊介1人が負えば良いのです。これで真弓も金本も傷つくことなく、今季の阪神はペナント奪回に向けて全力を注げます。9回の守備に金本をつかせなかったのが真弓真犯人説の状況証拠です。最重要容疑者と言えるかも知れません。

 しかし、僕は第3の容疑者説を採ります。それは金本知憲本人です。なぜ金本が自らそんなことを望むのか?また望んでいるなら自ら休めば良いではないか?それができなかったことが、この事件を難解にしています。動機は金本の優勝への拘り、そして今年をもしかしたらラストシーズンと秘かに決意しているからではないかと思います。先ほど真弓監督の動機を述べましたが、金本は監督以上に自分の記録がチームの足枷になっていることに気づいています。そして自分が選手生活最晩年に差し掛かり、優勝へのチャンスも少ないことを良くわかっているはず。だったら自分にできる最大の貢献は、体調をしっかり整えて大事な試合で活躍すること。そのためにもしっかり休みを取って疲労を残さないでシーズンを乗り切らなければなりません。そして今シーズンは震災の影響で寒い時期まで試合が組み込まれ、しかも過密スケジュールになることが決まっています。開幕戦延期が決まった瞬間、自分の記録を途絶えさせるなら序盤の今しかないと金本は考えたはずです。

 ではなぜ自ら監督に告げて出場辞退をせず、俊介を実行犯にしたのか。ひとつは真弓監督を守るため。いくら自らの決断であっても、出場させられる状況でさせなければ、やはり記録を途絶えさせた直接の犯人は監督になってしまいます。以前、連続試合フルイニング出場の記録を金本自ら途絶えさせた時に、金本は監督にまたいらぬ負担をかけて心労をこれ以上増やしてはいけないと思ったのでしょう。だから監督を傷つけない別のカタチでの完全犯罪を試みたのです。

 では実行犯がなぜ俊介なのか?俊介は広陵高校、そして金本も広陵高校出身です。先輩後輩の間柄です。そしてともに俊足強肩の外野手。金本は自分の後継者に俊介を選んだのでしょう。だからこそ、自分の記録を途絶えさせる役目を与えたのではないでしょうか。そして俊介が実行犯になることで、俊介の知名度が上がり、今シーズンの俊介のプレーが注目されるという計算があるのだと思います。後は金本の目論見通りに俊介が今シーズン活躍し、その結果阪神が優勝すれば、金本の描いたシナリオは完成です。

 以上、ほぼ妄想でお送りしました。多分、黒幕なんていないし陰謀もありません。でもこれで本当に阪神は今シーズン強くなると思います。以上述べてきたように、阪神にとってはメリットが大きい「事件」でしたからね。




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