幹事クリタのコーカイ日誌2011

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4月7日 ● 乱世に強いタイプが東電にはいるのか?

 東京電力という会社は超一流企業であり、その社員はエリートばかりだと思います。銀行が潰れても電力会社が潰れることなどない、公務員の俸給は削減されても東電は大丈夫と信じて「手堅い選択」として入ってきた人たちが大半でしょう。「オレは電力王になる!」なんてルフィのような野望に燃えた人はいるのかいないのか、少なくとも他の民間企業よりはそういう野心的な人も少ないだろうと想像されます。

 当然皆さん学校の成績が良くて事務処理能力に長けている優等生でしょうし、周りの空気を読んで和を乱さず、一丸となって効率よく働き成果を挙げることができるのだろうと思います。これまで長年にわたって大過なく関東の電気を守り続けてきたことがその証拠であり、停電なんて滅多なことでは起こらない「質の高い電気」を誇ってきただけのことはあります。

 ただ、平時においてはその能力は遺憾なく発揮されるとしても、今回のような「1000年に一度」の大地震と、過去に経験したことのない原発事故を前にして、果たしてそういう均質的な優等生集団が力を発揮できるのかどうかは疑問です。戦国時代の英雄たちは天下統一されてしまうと文官としては役に立たず淘汰されていきました。源義経も軍事の天才でしたが、平家が亡ぶと兄頼朝にとっては邪魔な存在でしかありませんでした。平時には平時の、非常時には非常時向きの人材というものがあります。普段はボーっとしていても、ひとたび混乱が起きると急に元気になって力を発揮するタイプの人がいます。東電にはそういう「乱世型」の人材が確保されていたのでしょうか?

 いまうちの息子は就職活動のまっただ中です。毎日のように筆記試験やら面接やらに出かけています。うちの息子は東電に入れるようなシャキッとした秀才タイプではありません。むしろ真逆で一見ぼんやり、実は中身もぼんやりした人間です。勉強もいまいち、機転もきかないし、爽やかでもないし、当意即妙の受け答えもできません。取り柄と言えば優しいことと、感情の起伏が少なく落ち着いていること、いざという時に図太く強いこと。

 エリート集団の一流企業にはおよそ入れるはずもありませんが、実はうちの息子のようなタイプが本当は東電のような能吏ばかりを集める会社には必要なのではないかと思います。普段は穀潰しかも知れませんが、非常時には意外と力を発揮するタイプです。今回の東電を他山の石として、他の企業も「乱世タイプ」の人間をある程度社内に確保しておく必要性を感じていると良いのですが。いや、本当に息子の就職が決まらないと、日本経済の前に我が家の経済が来年には崩壊してしまうので。東電なんて高望みはしていませんから、名古屋の企業でどこか良いところはないものですかねぇ。




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