幹事クリタのコーカイ日誌2011

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3月31日 ● サッカーにはできるのにプロ野球にはできない。

 日本サッカー協会、Jリーグが行った「日本代表」vs「Jリーグ選抜」のチャリティマッチは大きな拍手とともに成功に終わりました。Jリーグ選抜には中村俊、楢崎、闘莉王、小野ら多くの元代表メンバーが所属し、現代表対元代表というオールスター戦という企画の巧みさもさりながら、やはりここに三浦知良を選んだというのが最大のポイント。なんだかんだ言っても、ここまで日本のサッカー界を引っ張ってきた功労者であるカズは、こういうイベントには外せない「顔」でした。

 試合は日本代表が2-1で勝利し、Jリーグ選抜の取った1点が闘莉王からヘディングのパスをカズが決めるという筋書きを書いたかのような理想的な展開。正直、カズには敢えてマークをつけなかったのではないかと思うほど、キレイにカズが抜け出していきましたが、例えそうであってもあのシュートはなかなか技ありでした。Jリーグ選抜の監督をしていたストイコビッチのみならず、相手チームの監督であるザッケローニまでが喜んでいたのが印象的。それだけこの試合の意味をみんなが良く理解していたということでしょう。

 サッカー界がこうして震災に対して素早くチャリティマッチを行いアピールをしているのに比べて、プロ野球界のグダグダさ加減は酷いです。開幕問題こそ何とかまとめることができましたが、サッカー界のようにプロ野球界がまとまって何かメッセージを発信するという気運がまるで感じられません。個々の選手は義捐金を出したりしていますし、選手会も少しまともなことを発言していますが、球団オーナーもコミッショナーもまるでセンスゼロ。なぜすぐにサッカーのような慈善試合という発想すらなかったのか?金儲けしか考えていないと批判されても仕方ありません。

 今どき自分たちの利益だけを考えての言動は最低です。社会性や公益性を考慮しないスポーツ組織は今後どんどん衰退していくと思います。大相撲が八百長問題でこれだけ叩かれて立ち直れないのも、そういう時代に変わってきたという証拠です。ACジャパンが震災後に作った臨時キャンペーンのCMにサッカー選手は出てきても野球選手は(ついでに力士も)出てきません。オファーを断ったのか、最初からオファーされなかったのかはわかりませんが、いずれにしてもサッカーと野球の社会からの「見られ方」の差が象徴的に表れている気がします。




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