幹事クリタのコーカイ日誌2011

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3月30日 ● 東京のマスコミはもう少し落ち着けよ。

 地震や津波の被災よりも、原発からの放射能漏れの報道の方が大騒ぎという感がする昨今。なぜこんなことになるかと言うと、もちろんマスコミがある東京にどれだけの影響があるかという違いです。遠く離れた東北の人たちがどれほど苦しんでいようとも、自分たちに放射能が降りかかるかどうかの方がマスコミにとっては重大事だということでしょう。

 誰でも他人の事より自分の身の上が大事です。ただ、どちらからも離れた名古屋から眺めていると、どう考えてもより大変なのは被災地の人たち。すでに取り返しがつかないほどの甚大な被害に遭っている人たち。それに比べたら東京の放射能報道は端から見ていると必要以上に大騒ぎしているようにしか思えません。僕も一概に福島原発の放射能漏れを「安全」だと鵜呑みすることはできないと思っていますが、かと言って科学的な態度をすっ飛ばして感情的に「放射能怖い」と反応するのもいただけません。

 原発周辺はともかく、東京では現段階でそれほど影響があるような数値が出ているわけではないのですから、それを冷静に受け止めれば良いと思います。政府や東電はきっと何か大変なことを隠しているに違いない、もしかしたらこれから大変なことになるかも知れない、という不確定な憶測レベルで騒いでも、現実の生活では何にもまだその影響は出ていないのですから。

 もちろん、先日も書いたように、東京に住んでいる人たちが自己防衛で東京から逃げ出すのは、他人がどうこう言うことではありません。それはその人の考え方、生き方の問題であり、何をおいても危険を察知したのだから逃げるのだと言うのも正しいし、現時点では影響がないのだから普通に生活をするというのも正しい。その結果を引き受けるのも自分なんだから、自分で考えて決めて、他人の意見に振り回されない方がより後悔が少ないでしょう。

 ただマスコミは自分たちに関わるかどうかで報道のプライオリティを変えるべきではありません。彼らの「東京=日本」という思い込みが強いのは今に始まったことではありませんが、ここまで東京で検出される放射能のことばかり最優先で報じられると、他の報道すべき大事なことがすっぽりと抜け落ちてしまいそうな気がします。 いや、東京のことばかりじゃなくちゃんと福島の原発周辺の人たちのことも報道しているし、と言われそうですが、名古屋に伝わってくるのは「東京に雪が降りました」という時と同じです。もうちょっと落ち着けよと言いたくなります。そりゃわかりますよ。東京のことを取り上げた方が関心が高くて売れるネタになるのは。でも今はそういう「受け狙い」をしている場合ではないはずです。

 まずは被災地の人たちの救出、支援、復興。原発は注意深く成り行きを見守り、いざとなったらすぐに対応できるように警戒しておくこと。政府や東電を批判したくなる気持ちはわかりますが、ただ文句を垂れ流していてもこうした非常時にはどうなるものでもありません。本当に深刻な被災をした人たちは文句を言う前に自らを救うために必死に動いています。




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