幹事クリタのコーカイ日誌2011

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3月13日 ● 地震報道を止めたテレビ東京の決断。

 一夜明けてテレビで報道される被災地の状況には本当に暗澹たる思いがします。これほどの広範な地域での地震と津波の被害というのは過去の日本の天災でもなかったことでしょう。強いて比べるなら、天災ではありませんが、戦時中の日本全土に対する空襲以来かも。それほどの過酷さです。もし被災したのが自分だったら、自分の家族だったら、と考えると、胸がつぶれそうです。

 ただその中で救いは、こういう状況でも日本人はみなモラルが高く礼儀正しいこと。避難所にいる人たちも、店が大きな被害を受けた商店主も、帰宅難民になった人々も、みなきちんとしていて暴動を起こしたり火事場泥棒のような行動をせず、むしろお互いを助け合おう、支え合おうとしています。素晴らしいことだと思います。

 心配なのはマスコミの取材攻勢。以前ほど傍若無人の取材をしているようには思えませんが、それでもテレビ全局が一斉に横並びで地震報道を続けている中、どうしても他局と差別化しようと無茶な取材をしないかとハラハラします。地震が起きた直後に全局が一斉に報道したのは正しいと思います。しかし、1日経って緊急性が薄れてきたら、NHK以外は通常の放送に切り替えても良いのではないでしょうか。

 ひとつは先に書いたように無用な取材合戦を引き起こさないため。被災地にマスコミが大挙して押し寄せても邪魔なだけであまり役に立ちません。取材よりも救援や物資の運搬を優先するのは当然なのですが、マスコミが行く先々でそれらを邪魔してしまうのではないかと思います。

 もうひとつは、被災者だって癒しが欲しいでしょうから、音楽番組やバラエティ番組を流した方が役に立つ場合もあると思うからです。NHKが地震情報を流していれば、他の民放各局はテロップなりなんなりで緊急性の高い情報を流せば十分でしょう。右も左も悲惨な報道ばかりでは、被災者は余計に暗澹としてしまい落ち込むばかりです。情報が欲しい人はNHKを見れば良いのですから、選択肢があった方が良いでしょう。

 そんな中、テレビ東京系がいち早く通常番組を放送し始めました。CMは未だAC中心ですが、さすがテレ東です。と言うか、テレ東以外にこういう時に口火を切れる局はないでしょう。その勇気と決断力には敬意を表したいと思います。相変わらず緊急時に存在感を発揮する局です。




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