幹事クリタのコーカイ日誌2011

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3月11日 ● 中高年も安心な『ツーリスト』のベタさ。

 アンジェリーナ・ジョリーとジョニー・デップの共演で話題の映画『ツーリスト』を見てきました。最近の映画を見慣れた目には、なんというか、とても古典的な匂いのするサスペンスで、まるで1970年代のハリウッド映画のようです。美男美女のスターが美しいベニスの街を舞台に繰り広げる愛とサスペンスとアクション。しかもちょっとコメディ風味までまぶしてあって、とってもベタな映画でした。

 ただベタだから悪いというわけではありません。わかりやすいし気楽に見られるし、CGを使っているわけでもないし、ジョニデお得意のコスプレもありません。アンジーは映画の中では「絶世の美女」設定で、まるで峰不二子みたいな扱いです。僕から見たら「ちょっとトウが立っちゃったんじゃない?」と思えなくもないのですが、顔の皺とか見なかったことで。

 ベニスの街の屋根を逃げるジョニデのアクションも、ベニスのカナルでのボートチェイスも、何だかのんびりまったりしていて、そのあたりも古式床しい感じ。突っ込みどころも多いし、最後の落ちも、途中からそうじゃないかと読めてくるんですが、そのあたりも含めて007っぽい古典的な良さがあって、中年以上の映画ファンならゆったりと安心して見ていられる気がします。

 この映画を楽しむにはそういう意味でも「ぬるい」目で見る大人の余裕が必要です。そして、高齢化が進む現在、こうした映画こそが今後シニアマーケットを映画につなぎとめていくコンテンツになりうると思います。スター俳優、美しい景色、手に汗握るストーリー。ベタだからこそ良いのです。ハリウッド映画の原点回帰を思わせるような作品でした。




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