幹事クリタのコーカイ日誌2011

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3月9日 ● 前原辞任は悪い前例を作ったのではないか。

 前原外相の辞任については多くの人がスッキリしない、何だか割り切れないものを感じているのではないでしょうか。確かに外相の立場にありながら、国会議員は外国人からの政治献金を受け取ってはならないという法律に違反していたわけですから「辞任は仕方ない」とも言えるし、うまく外相の首を取った自民党はしてやったりと思っていることでしょう。

 しかし、その献金の額はたった25万円であり、相手は昔から支援してくれている顔見知りの在日韓国人。そんなわずかな献金が外相として国益を損なう行動を起こさせるとは到底思えません。しかもこうした個人献金はNGでも、政治資金パーティ券なら匿名で外国人が購入しても何の問題もないそうです。これは明らかに法の矛盾、法の不備です。

 前原外相はG8外相会談やら日中韓会談やらを控えていました。外交の継続性ということから考えても、民主党政権の要の一人である政治家がこんな形で辞任するというのは、わずかな献金よりも、ずっと大きく国益を損なうことになるのではないかと国民の多くが思い、それゆえに割り切れない気持ちになるのも無理からぬ話です。

 それに、こんなことで主要閣僚が辞任する前例を作ってしまったら、今後外国のスパイが日本の政治家をいとも簡単に辞任させることができてしまいます。それも本来なら「知らなかった」と言えば大丈夫なことなのに、「外相が知らなかったでは済まされない」という前例になってしまったのですから、相手国から見たら気に入らない(日本にとっては頼もしい)外相は、全部このパターンで罠にかけて辞めさせていけば良いことになります。

 今回自民党はうまく外相を追い落としたと思っているかも知れませんが、これは与野党関わらず全国会議員にブーメンランとなって返ってくるようなことだということを自覚しているのでしょうか?自民党議員だって調べればいくらでも出てくる話なのではないかと思います。

 その上、前原の辞任は、自民党が「降ろした」というよりも、前原自らが「降りた」感が強いので、余計に納得できません。前原は外相としていつまでも菅内閣にとどまっていると、内閣だけではなく自分の傷が大きくなると判断して「逃げた」のでしょう。この件以外にも前原は何やら危ない話があったようですし。いつもカッコいい理想は語るけれども、泥を被りたくないし実行力が伴わない前原らしい「逃亡者」ぶりです。僕は前原は政治家よりも学者か評論家になれば良いんじゃないかと思っています。そうすれば前原は好きな理想論だけを語っていられますから。

 いずれにしても主要閣僚が辞めてしまい、いよいよ菅内閣は崖っぷちです。総理として何かやりたいことがあるわけではなく、総理でいること自体が目的化している菅直人の無益な粘り腰は、それこそ国益を損なうばかりです。かと言って「ポスト菅」もいない状況では完全に民主党としては手詰まり。マニフェストも守れないんだし、もう政権は返上したらどうかなと思います。




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