京都大、早稲田大、同志社大、立教大などで相次いだカンニング事件の犯人が特定されて「逮捕」されました。たかがカンニングで新聞１面に載り、これほどの騒ぎになり、しかも逮捕されるとはまさか本人も思っていなかったでしょう。これはさすがに世間は騒ぎ過ぎ、警察はやり過ぎじゃないかと思います。

　当初は受験生のカンニングではなく、「こんなこともできるんだぜ」というIT技術の誇示をしたい愉快犯だとか、もしくは入試問題の漏洩が事前にあったのではないかという見方もありました。もし問題が印刷会社などから漏洩したというのなら、これは大問題です。「逮捕」も仕方ないでしょう。が、結果としては受験生の単なるカンニングだったわけで、そんなものは試験制度が始まった頃からあったのですから、逮捕までする必要があるのかと思います。本人がショックで自殺する恐れがあって「保護」したというのならわかりますが。

　確かにカンニングを擁護すべきではありません。ルールに則って試験を受けるべきなのは当然なのですが、ここまで大騒ぎにするのは、鬱憤晴らしに「叩きたい」としか思えません。最近は「悪い」ことをすれば躊躇なく徹底的に批判する風潮がありますが、悪いことにも程度というものがあります。いくら手法が新しかったとは言え、カンニングは所詮カンニングであり、殺人や強盗、レイプとは事の重大さが違うのです。

　今回の件は、普通のカンニングと同じように本人を不合格にすれば済むことです。ここまで騒ぎになったらもう十分に本人は反省したことでしょう。未成年を逮捕までしてしまってはむしろ罪に比べて罰の方が大きすぎます。彼のこれからの人生に支障をきたすかも知れません。あまり若者をとことん追い詰めるものではありません。　

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