幹事クリタのコーカイ日誌2011

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2月15日 ● 冬ドラマ中間レポート。

 この冬のドラマもそろそろ折り返し地点にきました。今回ここまで見続けているのは『デカワンコ』と『外交官 黒田康作』の2本です。昨年のことを思えば1つのクールで2本も生き残っているのは豊作。ちなみに『美しき隣人』も面白いという評判は聞きますが、あまり好みのタイプのドラマではないし、麦とホップが金麦をいじめるというのも何だかな〜なので見ていません。

 で、『デカワンコ』ですが、これは予想以上の収穫でした。とにかくバカバカしい。そのバカバカしさが面白い。犬以上の嗅覚を持つ女性刑事、というだけでもおかしいのに、さらに多部未華子の演技力の凄まじさ。まるでイモトアヤコのようなことをしているのに、やはり芸人にならず役者としての品位を保っているのは多部ちゃんのコメディエンヌとしての資質です。

 脚本もよく練れていて、毎回完結型でうまく人情噺に落としこむ上に、ちゃんと全体を通しての伏線も張っています。しかも個々の役者の個性に合わせたキャラ作りも見事。脇を固めている中では特に沢村一樹と吹越満が光っています。そしてドラマに関わっているスタッフ全員が「面白がって」作っていることが伝わってきます。

 対して『外交官 黒田康作』ですが、こちらはお金をかけて重厚で本格的なドラマ作りに徹しています。最近ドラマの制作費が削られている中で、このドラマくらい作りこんでいるドラマは珍しいし、それだけやはり見応えもあります。『デカワンコ』が面白がって作っているとしたら、こちらは本気で作っているということが伝わってきます。

 残念なのは主役の織田裕二。悪いとは言いませんが、どうにもこうにも肩に力が入りすぎ、カッコつけすぎ、笑わなさすぎ。まるでジェームズ・ボンドを気取っているのかも知れませんが、だったらジョークのひとつもいう軽さが欲しいところ。あんなにカッコつけている奴が現実にいたら、それだけで浮いてしまうことでしょう。自然体の演技をしないのは、演出家が悪いのか本人が悪いのかわかりませんが、見ている方が疲れてしまいます。あれでは相手役の柴咲コウが単なるドジにしか見えません。柴咲がボケる、織田が突っ込む、という関係が成立していないのが残念です。

 余談ながら残念なことがひとつ。『デカワンコ』と『外交官 黒田康作』のどちらにも出演している大倉孝二。しかも似たような役柄で出ているので、見ている方としては「おいおい」と思ってしまいます。なぜ外務省にいたのに今度は警察なんだ、と。やはり同一クールでこれはないでしょう。

 あ、ちなみに大河ドラマ『江〜姫たちの戦国』についてはまた別の機会に書きます。どうやら『天地人』以来の悲惨なことになってきているようなので。




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