幹事クリタのコーカイ日誌2011

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1月28日 ● アングラだった頃のネットは帰ってこない。

 この「コーカイ日誌」を書き始めたのは1996年。すでに15年も前のことになりました。当時はまだインターネット黎明期と言っても良い時代で、ネット上に日記(ブログという言葉はまだありません)を書いていると言っても、周囲では10人に1人くらいしか理解してくれない頃です。当然僕は変わり者扱いされていました。「これからはインターネットの時代になるんだよ」と言っても「そんなものはなくても困らない、生きていける」と言う人がゴマンといたのです。

 そんな無理解の中で細々と書いていたわけですから、当然読者も少なく、パソコン通信時代の知人や教育関係、研究関係の人たちを中心に1日20〜30もアクセスがあれば良いという状況。その代わり、かなり大胆に好き勝手書いても、誰も読んでいないようなものですからとても気楽でした。業務上のことも書き散らしていましたし、個人情報とかプライバシーとかあまり考えなしにネタにしていました。今から思えばユートピアと言っても良い時代です。

 ところがご存知のようにインターネットは急速に広まり、今では小学生から後期高齢者まで幅広くネットにアクセスする時代。この「コーカイ日誌」のアクセス数もweb版、ブログ版合計すれば毎日1000を超えるようになってしまいました。当然実名で書いていれば、周りの人間もかなり読んでいます。内容、表現ともに気を遣うことも増えました。人気の「Mっちゃん」シリーズもこれだけアクセス数が増えると、いくら相手がMっちゃんだとは言え、おいそれとネタにできなくなってきました。かつてよく登場していた他の人たちも最近はなかなか登場させられません。ネタがないわけではないのですがね。

 先日も某氏から聞いたお笑いネタを書いたところ、本人から「ちょっと勘弁してください」と削除依頼が来たので削除しました。昔なら平気だったろうに、今では本当にどこで誰が読んでいるかわかりません。気を遣って自主規制することもしばしばです。最近ネットに面白い読み物がないとお嘆きの方も多いと思いますが、そういうことも面白くないと感じるひとつの理由かも知れませんね。もちろん、プライバシーを尊重することの方が大事なのですから仕方ないですけど、昔の「社会の隅っこでこそこそやっている」アングラ感が今となっては懐かしいです。もう戻ってくることはありませんが。




twitterでもつぶやいています@kanjikurita

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