フジテレビ系日曜夜９時『スクール!!』。日曜夜９時のドラマと言えば長年ＴＢＳだったのですが、フジテレビが裏に同じくドラマをぶつけてきて勃発したドラマ戦争。とは言え、現状はドラマ不況でどちらも大して視聴率が取れず苦戦している枠です。

　『スクール!!』はトンネル掘っていた現場監督が会社が倒産する時に請われて母校の小学校の民間人校長に就任し、熱意とバイタリティで学校を変えていくという設定。主演に江口洋介。まあいかにも江口らしいはまり役だと思います。逆に言えば、江口じゃなければこのドラマはちょっと見ていられないかも知れません。

　この手の学校ドラマにありがちなことですが、全体にかなりデフォルメされて描かれています。教師たちの姿勢、児童の言動、学校の方針など、確かにそういう傾向はあるかも知れないけど、そこまで酷いことはないだろうと。わかりやすくしなければドラマにならないと思っているにしても、行き過ぎるとリアリティがなさ過ぎて見ている方が引いてしまいます。

　そこをぐっと引きとめているのが江口の熱演。彼の熱さと明るさと強さがあるからこそ、ドラマが成立していると思いました。また江口を支える新米教師役の北乃きいも可愛くて良いです。従来なら綾瀬はるかとか石原さとみあたりが適役ですが、北乃の若さが一層新人らしさを際立たせています。また江口と対立する教務主任役の西島秀俊の無表情な演技も冴えています。江口以外に大物をキャスティングしていないローコストドラマながら、見どころはそれなりにありました。

　そうそう、江口が下宿する北乃の実家で、元校長・岸部一徳とその孫娘役の堀内敬子の掛け合いも楽しいのですが、岸部と堀内が祖父と孫というのはどう見ても納得できません。北乃と堀内が姉妹ということになるわけですが、堀内が岸部の娘で北乃の母にしか見えないのです。

　調べてみたら北乃は1991年3月生まれ19才、堀内は1971年5月生まれ39才、岸部1947年1月生まれ64才。普通この年齢差なら祖父-娘-孫の３世代です。しかしドラマの設定では北乃22才、堀内30才、岸部72才。堀内に無理があり過ぎです。何を考えてこのキャスティングなのか、もしくはどうしてこの設定なのか。堀内は好きな女優だけに何だか可哀想な気がしました。

twitterでもつぶやいています@kanjikurita gooブログでも読めます「幹事クリタのコーカイブログ」