幹事クリタのコーカイ日誌2011

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1月19日 ● 『デカワンコ』第1回。

 日本テレビ系土曜夜9時のドラマ枠は、かつては『熱中時代』とか『池中玄太80キロ』などのヒットドラマを生んだ枠です。ヒューマンなドラマや大人の恋愛ドラマなどイメージは決して固定していなかったのですが、あの『家なき子』の大ヒット以降は、若者向けの少々マンガチックなドラマが基本となりました。中には「おいおい」と突っ込みどころばかりのドラマの時もありますが、時々大人が見ても楽しめるドラマもあって、その落差がある意味この枠の楽しさでもあります。

 今クールの土9は『デカワンコ』。原作はやはり土9でヒットした『ごくせん』の森本梢子。脚本は同じく土9『喰いタン』などで実績のあるベテラン伴一彦。警察犬並みの嗅覚を持つ新人女性刑事・花森一子に多部未華子、他に沢村一樹、手越祐也、石塚英彦、升毅、大倉孝二、水上剣星、佐野史郎、吹越満、田口トモロヲ 、伊東四朗 、渡辺直美ら個性的な共演者が脇に控えています。

 初回はキャラクターと設定の紹介を兼ねていたので、少々展開が冗長なところはありましたが、それでもこの枠らしくかなりテンポ良く展開し、わかりやすい誰でも楽しめるストーリーでした。脚本が整理されていて、昨今のサスペンスドラマのようにむやみと捻ってないのも良かったですが、何よりも演じる俳優陣の巧さが光りました。

 多部未華子のコメディエンヌとしての素質は前からわかっていましたが、今回はかなり徹底したキャラクター作りで、その才能が全開。以前から書いているように小林聡美の後継者は多部で決まりです。またドラマに華を添える役割を担っている手越も頑張っていますが、なにより沢村、石塚、大倉、佐野、吹越らベテラン陣が楽しげにコメディをやっているのが良い感じです。沢村は最近バラエティで笑わせてばかりなので、シリアスな役よりも、こうしたコメディタッチのドラマの方がはまります。

 後、我々世代にとってツボは音楽。全編に『太陽にほえろ!』のテーマ曲が流れていて、その使い方がまた笑えます。知っているお父さんお母さん世代を喜ばせ、知らない子ども世代は新鮮に感じるという一番うまいやり方。このドラマによって若い世代は「デカワンコのテーマ」だと覚えてしまうことでしょう。

 初回を見た限りではなかなか面白いと思いました。コメディで突っ走りながら、最後はちょっとヒューマンに落とすという『ごくせん』と同じ方法論でいけば、結構楽しめるのではないかと期待しています。絶対必見というドラマではなく、みんなでワイワイと言いながら見るお気楽ドラマとしては上出来です。




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