幹事クリタのコーカイ日誌2011

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1月16日 ● 『外交官 黒田康作』第1回。

 録画してあったドラマ『外交官 黒田康作』の初回をようやく見ました。ここまで見る気が起きなかったのは、やはり期待していなかったので「面倒くさいな、見ないで消そうかな」と思っていたからで、特に初回は2時間となれば映画1本見るのと同じですから、ますます面倒な気分になってしまいました。

 で、ようやく義務的に見てみたのですが、その感想は予想よりは良いけど、もやもやといろいろなものが残った「複雑」な感じでした。まず誉めるべきところからいきましょう。一番印象的だったのは「金をかけている」こと。これは素直に誉めて良いと思います。昨今のドラマ不況でテレビ局も制作費をケチったなと思ってしまうようなドラマが多いのですが、この『外交官 黒田康作』はきちんと映画並みの制作費を使っています。まあ元々映画だから、ということはあるにせよ、豪華キャストに海外ロケ、セットもきちんと作っています。金をかけたドラマは内容はなくてもそれだけで「見た」って気分になるから良いです。

 次に脇役の演技力。良い脇役をたくさんキャスティングしたなぁと思いました。大河ドラマで良く出ているような俳優がどんどん出てきます。昨年の『龍馬伝』からだけでも、岩崎弥太郎やお登勢、徳川慶喜も出てます。山内容堂も出るらしいです。そんなにまとめて出てこなくてもとは思いますけどね。それ以外にも良いキャスティングが多く主役を盛り立てています。

 ストーリーはとりあえずサスペンスらしく展開していました。初回は2時間かけて謎をばらまきまくり。ちょっとさすがに途中サンフランシスコと日本の間をいったりきたりしてダレましたが、まあ今後これらの謎がどう収束していくのかは見てみたいと思いました。

 残念なところ。まず何と言っても主役の力不足、もしくは演技プランの間違い。頑張っていますが、頑張り過ぎて見ている方が痒くなります。織田裕二という役者はコメディでこそ生きると僕は思っています。柴咲コウとのコンビと言えば『県庁の星』ですが、あれは肩の力が抜けていて良かったです。それに比べてなぜこんなに力んで肩に力の入った演技をするのか?せめてもう少しあの能天気な笑顔を見せる役作りをすれば良いのに、暗い顔して気取っているばかりで、かえって白々しく感じてしまいました。このドラマは主役を織田裕二以外にしていれば、もう少し素直に楽しめたかも知れません。

 次に特に海外ロケの演出のヘボさ。何というか、70年〜80年代くらいのハリウッド映画の劣化版を見せられている感じでした。海外ロケだから気取って洋画テイストで演出してみたのに、それがかえって古臭く見えてしまうのですから残念です。凝った分だけカッコ悪い。特に冒頭の007ばりのシーンは恥ずかしくて悶え死にそうでした。それに比べて日本でのシーンはやはり慣れているせいか、素直に安心して見ることができました。今後は日本が舞台になるみたいですから、少しは心安らかに見ることができそうです。

 良いところと悪いところが相半ばしていて、だからもやもやした「複雑」な気分になってしまったのですが、とりあえず「そんな外交官いねぇよ!」とか突っ込みどころが多いだけでも楽しいので、2回目以降も付き合ってみるつもりです。




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