幹事クリタのコーカイ日誌2010

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12月22日 ● 毒の抜けたものまね芸。

 昨晩の「ものまねグランプリ」。久しぶりにものまね番組を観たのですが、あまりにも変わり映えしない様子にガッカリしました。コロッケもコージー冨田もホリも全くものまねが変わっていません。単に小手先の演出で目先を変えているだけで、相変わらずコロッケは美川憲一だし、コージーは石橋貴明だし、ホリは木村拓哉です。「もういいよ、飽きたよ」と思わずにはいられません。

 ものまねの真骨頂は批評です。真似する人を単にそっくりに演じるだけではなく、その人に対して感じている違和感をあぶり出すと、本当に深くて面白いものまねになります。もちろんそれは毒がありますから、山本高広のように織田裕二から嫌われてものまね禁止を言い渡されたりするリスキーさを併せ持ちます。しかし、それこそがものまねの醍醐味なのです。

 かつてのコロッケの芸にはその毒が溢れていました。美川憲一、岩崎宏美、野口五郎、五木ひろし。誰もがコロッケにぶった斬られていました。しかし同じ人物ばかりをものまねしているうちに、今ではすっかり毒気が抜けてしまい「またか」としか感じられません。型はできているけれど中身はありません。芸の完成度と、ものまねの面白さは全く別物だということが、かつてのコロッケの破壊力を知っているだけに余計に痛感させられます。

 昨日のものまねで優勝した原口あきまさの高田純次は、まだまだその毒がしっかり含まれていました。全然ものまねでも何でもないキング・オブ・コメディの石川遼と加藤清史郎のコントや、サンドイッチマンのマツコ・デラックスの方が、本来のものまね芸よりも面白いのも、毒のある人物批評たりえていたからです。

 もちろん完璧にコピーしました、というのも芸ではありますし、素直にうまいなと思います。ただもっと批評性の高い毒のあるものまねを多くの芸能人・有名人にぶつけていかないと、ますます視聴者はものまね番組から離れていってしまうのではないかと思います。




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