幹事クリタのコーカイ日誌2010

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12月19日 ● 自己紹介でそれを言うか?

 とある席上である人が自己紹介をする中で、「僕が嫌いなのは、小利口な奴、小狡い奴です」ということを言いました。それを聞いた僕は「うーん、それはどうだろう」と思ってしまいました。そもそも小利口とか小狡いと言うのは、かなり主観的です。パッと見はそう見えても、本当に小利口な人間かどうかなんて、かなり付き合ってみないとわかりません。また表に出ている面だけがその人の性格ではありませんから、それをバシッと簡単に分けられるとは思えません。さらに状況によっては誰だって小狡くならざるを得ないことだってあります。

 それに逆に言えば真っ直ぐで純粋で情熱的な人間が好きと言うことなのでしょうが、そんな少年マンガの主人公みたいな人間がそうそういるわけではありませんし、いたらきっと面倒くさいと思います。長年社会人をやってくればわかることですが、少々上手に立ち回らないと世の中うまく渡っていけないし、周りも対応に困ります。純粋な情熱だけを押しつけられるのはかえってウザイし迷惑です。

 ただ、そういう好き嫌いがあるのはまあ良いのです。誰だって好きなタイプ、嫌いなタイプはあるでしょう。僕だって小狡いことばかりやる奴は嫌いです。問題なのはそれを自己紹介で大っぴらに言うことです。それにどんなメリットがあると言うのでしょう?最初にいきなり嫌いなタイプを公言するということは、そういうタイプの人間を自分の周りから排除しようとしているわけで、それが自己紹介という集団に溶け込むための挨拶として相応しいかどうか、ちょっと考えればわかりそうなものです。言われた相手は当然微妙な反応を示します。誰だって内面に小利口で小狡い部分も持っていますから「自分のこと?」と感じるでしょう。非難されているようで決して気分は良くありません。

 もちろん、以上の意見は「小利口」な考え方です。転校生がクラスの最初の挨拶で喧嘩売るようなことを言わない方が良いよ、と言っているのと同じです。空気読めよ、いじめられるぞ、と。いかにも日本的な考え方なのかも知れません。言った本人はそんな真似が嫌いだからこそ、堂々と最初に言い切っているわけで、そういう意味では首尾一貫していてぶれていませんし筋を通して生きているつもりだと思います。

 ただ自己紹介はもう少し楽しくユーモラスにして欲しいです。上から目線で偉そうなことを言うよりも、自分を茶化して笑いを取った方が聞いていて気持ち良いし、本人も懐の深い器の大きな人物に見えるのに。ま、そういうことを思うのも「小利口」な証拠かも知れませんし、僕はそもそも小狡い奴よりも単純バカの方が嫌いですから、嫌われても仕方ないですね。




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