幹事クリタのコーカイ日誌2010

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12月14日 ● みんな石原慎太郎が大好きなのか。

 石原慎太郎vsマンガ出版社が盛り上がっています。東京都の「青少年健全育成条例」が改正(改悪?)されようとしていて、それに抗議する出版社が、都知事が実行委員長を務める来年3月の「東京国際アニメフェア2011」への参加をボイコットするという図式です。

 マンガ表現の規制に対して出版社やマンガ家が抗議するのは当然のことですが、これをあまりテレビや新聞などのマスコミが大きく取り扱わないのがちと不思議。彼らも表現に携わるもののはずなんですが、きっとマンガなんてくだらないしどうでも良いとでも思っているのでしょうか?「クール・ジャパン」とおだてておいても、古いマスコミの体質はあまり変わっていないのかも。

 それと、今回も石原都知事に対して「老害」だのなんだのと非難の声が集まっていますが、彼は老人になったから変なことを言っているわけではありません。若い頃から今とあまり変わらない変人でした。一貫して変なのですからブレてはいません。むしろあれだけ自分のスタンスをはっきりと表明し続けているのに、未だにそれを理解していない批判者の方がおかしいと思います。

 そして、そんな石原を実は国民は大好きです。参院選に初めて立候補した時も当時の全国区で300万票を取ってトップ当選。衆院に鞍替えしてからも負け知らずで8期25年。都知事選も最初こそ負けたものの、2度目の立候補以後は無敵でいま3期目。これだけ支持をされ続けていれば、本人も増長して当然です。だってどんな暴言を吐いたって、どんなに公私混同したって、どれだけ福祉予算を削減して年寄りを追い詰めたって、選挙をすればドーンと票が集まるのですから。

 石原は建前を言いません。キレイ事を言いません。物議を醸すのは常に本気だからです。そして、多くの都民はその発言内容を問わず、その態度こそを評価しているから人気が落ちないのだろうと思います。逆に言えば、世の中の政治家が周りを見て保身に走り本音を言わないから、石原のストレートな物言いが受けるのです。

 今回の出版社の抗議も僕は分が悪いだろうと見ています。石原の「児童ポルノなどくだらん」とバッサリ斬って捨てる態度に対して、表現の規制がこれをきっかけに波及する云々の出版社側の抗議はまだるっこしいことこの上ありません。マンガにさしたる興味もない一般人に意見を聞いたら「石原の言うことにも一理あるよな」となるに決まっています。

 もちろん僕もマンガファンとして都の条例改正には反対です。しかし、石原大好きなこの国の人間に対して、それを納得させるだけの言説を出版社が組み立てることができるかどうかは甚だ懐疑的です。




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