幹事クリタのコーカイ日誌2010

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12月9日 ● 海老蔵のことはもういいだろう。

 市川海老蔵が記者会見をしたことで、テレビ局の海老蔵報道が過熱しています。どの局もニュースやワイドショーは海老蔵だらけ。たまたまいま大事件がないからなのでしょうが、それほどワイドショーを見ない僕でも食傷気味。「そこまで関心ないよ」と思ってしまいます。

 ツイッターにも書きましたが、もしかしたら芸能マスコミと一般人の間には歌舞伎役者に対する認識にズレがあるのではないかと思います。東京の芸能マスコミにとって歌舞伎というのは結構身近なものなのでしょう。しかも芸能人のランクで言えば歌舞伎役者はトップクラス。格付けすると歌舞伎>演劇>映画>テレビという認識ですから、その歌舞伎のスターにして名門の御曹司が起こしたセンセーショナルな事件は大ニュースという感覚なのではないかと思います。

 しかし今や一般大衆にとって歌舞伎は遠い古典芸能のひとつに過ぎません。実際に歌舞伎の舞台を生で見たことがある人はどれくらいの割合でいることやら。海老蔵はよくテレビドラマやCMにも出ていますから認知度は高いと思いますが、あくまでもテレビで見かける俳優の一人、ワン・オブ・ゼムに過ぎません。歌舞伎に疎い一般人の認識としては海老蔵も中村獅童も「歌舞伎の人」ということで似たようなものでしょう。

 確かに海老蔵は以前から随分と良くない噂があった人です。今回は本当にバカなことをしたと思います。しかし、だからと言って犯罪者のように追いかけ回すのもおかしな話です。一応は被害者なのだし、せいぜい喧嘩両成敗くらいのこと。本人も大きな怪我をしてそれなりに懲りたことでしょうし、後はそっとしておいてやれよと思います。朝青龍の時にも感じましたが、落ちた犬に石を投げ棒で叩くような真似は下品です。

 それにしてもつくづく有名人(芸能人・文化人・スポーツ選手・政治家など)には生きにくい世の中になりました。少々不良だったり常識がなかったりするからこそ、人にはできないようなパフォーマンスができるのかも知れないのに、今はむしろ一般人よりも過剰に清く正しい建前の世界の生き方を押しつけられてしまいます。「角を矯めて牛を殺す」という諺はもう死語ですね。




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