幹事クリタのコーカイ日誌2010

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11月20日 ● ビートルズって有名なの?

 ツイッターで「ビートルズって何?有名なの?」という呟きでTLを賑わせた若者がいました。これに衝撃を受けた人々が「それはちょっと問題だろう」「勉強しろ」という返信をし、さらに「知らなくてもいいじゃん」「オヤジうざい」という擁護論も飛び出して、なかなか興味深い展開になりました。

 またHMVの調査では10代の若者は半分以上がビートルズの4人の名前を言えないという結果もありました。僕にしてみれば10代が4人のフルネームを言えないのは普通だろうと思うので、むしろ4割以上が言えることの方が驚きです。調査対象がHMVの会員なので音楽に対して興味がある層だということを割り引いても、確かに「ビートルズって何?」という人は、かなりレアなケースであるとは思います。

 ただどんなに常識的な事であれ、ある事柄を「知っている」か「知らない」かは、どちらかです。クイズ王になるほど知識の豊富な人だって、世の中の森羅万象全てを知っているわけではないですから、どこかに知識の穴はあります。有名大学を出た知識人と呼ばれる人が、芸能人や社会の流行りを往々にして知らないように、ビートルズを知らなくても必ずしも「悪い」とか「ダメ」というわけではありません。まあかなり知識に偏りはあるんだろうなぁとは思われるでしょうけど、一般によく知られていることを知らなかったとしても、一概に責めることはできません。

 だからと言って、あまりにも知識や教養を軽んじる姿勢にも違和感を覚えます。「調べればすぐわかることを覚えていても意味はない」という人がいますが、決してそんなことはありません。調べるには時間と道具が必要です。パソコンとか本とか、もしくは知ってそうな人に聞くとか、何らかの手助けと動作を必要とします。しかし、自分が覚えていれば即座に必要な知識を引っ張りだせます。タイムラグがありません。場合によってはそのタイムラグが命取りになる時もあるのです。

 またほとんどの企画とかアイデアいうのは完全にオリジナルではありません。自分の脳の中からいきなり湧いて出てくるものでも、一から全てを作り上げるものではなく、既存のものを組み合わせてできあがっていくものです。組み合わせるパーツをたくさん持っている方がアイデアを紡ぎだすには有利なのは当然です。調べて初めてわかったことよりも、自分の脳内にストックされていることの方が意識・無意識に関わらず使いやすくなっています。知識の乏しい人は、基本的にアイデアも乏しくなるのです。

 お金のない人ほど「お金をたくさん持っていても幸せになれるとは限らない」と言います。知識のない人ほど「そんなこと知らなくても困らない」と言います。どっちも本当にわかって言っているのかな、と疑問に思いますね。




twitterでもつぶやいています@kanjikurita

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