幹事クリタのコーカイ日誌2010

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10月16日 ● 一気に白熱してきた愛知県知事選。

 何かと話題の河村たかし名古屋市長が来年の愛知県知事選で、自民党の大村秀章衆院議員(50)=比例東海ブロック=に出馬要請したそうです。大村は明快な回答を避けたようですが、愛知県で唯一の自民党の現職衆院議員の大村がはっきり断らなかったということは、ほぼ出るということでしょう。いや、驚きました。

 愛知県知事選は現職の神田知事が次の選挙に出ないと言ったことから混乱が始まりました。神田知事は地味ながら手堅く県政を進めてきたと思います。彼がまた出ると言えば大本命間違いなしでした。ところが神田知事の不出馬表明で事態は一転。自民党、民主党、みんなの党がそれぞれに独自候補を立てての乱立模様となってきたのです。そこにもってきて圧倒的な支持を誇る河村たかしの「減税日本」が候補を擁立すれば間違いなく台風の目となります。選挙は混沌として先行きが見えなくなってきました。

 自民党は若手官僚の重徳和彦、民主党はベテラン元官僚の御園慎一郎を立てるのに対し、みんなの党は女性で医師で大学教員で主婦という薬師寺道代を擁立します。薬師寺は先の参院選でも愛知選挙区で立候補して善戦しました。知名度は自民と民主の官僚コンビよりも上です。しかも女性問題、医療問題、教育問題など一般の女性に関心が深いテーマに対して説得力を持つ薬師寺が一歩リードするかと僕は思っていました。

 しかし大村が立つとなると話は別です。彼はすでに当選5回、自民党愛知県連会長も務めている現職国会議員ですから知名度も実績も新人候補とは比較になりません。しかも大村は三河が地盤、不得手な名古屋を河村たかしのバックアップでカバーすれば十分に勝算があります。

 痛いのは何より大村が所属する自民党でしょう。将棋で飛車を取られていきなり王手角取りで打ち込まれたようなものです。自民党票のかなりの部分が大村に食われます。また民主党も河村たかしが元々民主党議員だったことを考えれば、相当持っていかれることは覚悟しなくてはなりません。一番影響が少ないのはみんなの党で、河村と連携を模索はしていましたが、もともと浮動票と女性票を狙っていることから大村とはバッティングしません。相対的に浮かび上がってくることで、薬師寺vs大村の一騎打ちになるかも知れません。それを党の支持基盤が厚い民主党の御園が追いかけるという展開になりそうです。

 それにしても河村たかしは大した戦略家です。先行していた3候補を全てぶっ潰すような一手をここにぶつけてくるとは。こうして河村ペースに持ち込んで、来年に知事選、市長選、市議選のトリプル選挙に持ち込もうと狙っているのでしょう。面白くなってきました。



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