幹事クリタのコーカイ日誌2010

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10月8日 ● ノーベル化学賞に2人。

 2年ぶりに日本人のノーベル賞受賞者が誕生しました。しかもまた2人同時。今回は選ばれた化学賞の3人の中に北海道大の鈴木章名誉教授(80)、米パデュー大の根岸英一特別教授(75)が含まれていました。これで米国籍の南部陽一郎を含めて日本人のノーベル賞受賞者は18人に。僕が子どもの頃はノーベル賞と言えば湯川秀樹、朝永振一郎の2人だけだったので誰でも覚えていられましたが、18人となると簡単に名前が出てきません。

 試しに数えてみました。湯川秀樹、朝永振一郎、川端康成、江崎玲於奈、佐藤栄作、福井謙一、利根川進。1980年代までは本当にノーベル賞受賞は珍しいことで大ニュースだったのでよく覚えています。大江健三郎の文学賞受賞があった後、2000年代に自然科学系の受賞ラッシュが始まります。白川英樹、野衣良治、小柴昌俊、田中耕一、南部陽一郎、小林誠、益川敏英、下村脩、鈴木章、根岸英一。何とか言えました。まだまだクイズ王の力は健在のようです。

 この中で特にインパクトがあったのは田中耕一。なにせ民間企業に勤務するサラリーマンであり、まだ40代の若さ。その朴訥としたキャラクターもあって、ブームのようになりました。しかし彼は例外で、最近の受賞者は高齢者が多く、「生きていたから受賞できた」と言われるのも無理はありません。早死にしたらどんなに素晴らしい業績を残したって貰えないのです。

 今回の受賞に対するコメントの中で、下村脩の言葉が目をひきました。彼はノーベル賞受賞者が相次いだからと言って、それは今の日本の科学者が元気なわけではない、数十年前の業績に与えられている以上、数十年前の日本の科学者が元気だったというだけだ、ということを言っていたのです。まさにその通りで、ノーベル賞は植林のようなもの。成果が賞という結果となるのはずっと先の未来なのです。もし今の若い科学者が元気がなければ、数十年先のノーベル賞には全くかすりもしないということになってしまいます。

 ただなにかと元気がないと言われてしまう今の若者世代ですが、僕はそんなことはないと思っています。昔のように数がたくさんいるわけではないのと、それに比べて年寄り世代が多いために、おとなしくしている、もしくはそう見えているだけでしょう。彼らは年寄りに比べてはるかに英語が喋れるしITも使いこなしています。これからの時代に必要なスキルはちゃんと身に付けているのですから、できないことをあげつらって文句を言ってもそれは難癖です。今後もノーベル賞受賞者がどんどん続いて生まれることを期待したいと思います。



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