幹事クリタのコーカイ日誌2010

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9月4日 ● 錦織圭は天才ゆえに期待も大きい。

 日本時間では木曜日深夜から未明にかけて放送された日本期待の錦織vs世界13位のチリッチ戦。眠くて4セット目途中で寝てしまったのですが、朝起きて結果を確かめたら試合時間4時間59分、「5-7、7-6、3-6、7-6、6-1」という壮絶なスコアで錦織が勝っていました。正直、4セット目途中の段階では少々不利かなと思っていたので、この結果には驚きましたし、改めて錦織という選手の才能とメンタルの強さに感心しました。

 錦織20才、チリッチ21才。これからずっと長い間、戦い続けていく相手になるでしょう。ともにナダル世代を追いかける若手のホープです。それだけ期待が大きいだけに、昨日の試合内容はイマイチでした。猛暑の中のロングマッチというコンディションの悪さはあったにせよ、お互いにエースを決め切れず、凡ミスも目立ちました。あれではナダルやフェデラーに勝つことはまだまだできないでしょう。

 もちろん随所に才能のきらめきは感じました。錦織の武器であるフォアハンドだけではなく、ボレーのセンス、ドロップショットなどのアイデアは天才の名にふさわしいものがありますし、チリッチも武器であるサービス(これが不調だったのが錦織にとってはラッキーでした)だけではなく、ストロークも意外と強く、時に錦織を圧倒さえしていました。

 勝ったとは言え、物足りないのは錦織のサービスと守備力。錦織のサービスはずっと弱点とされていましたが、かなり改善はされてきてはいました。でもまだトップ選手と戦うには力不足。そしてツアーの中では小柄に入るだけに、もっとマイケル・チャンのような高い守備力を身につけないと、結局たまに大物食いする「怖い」だけのプレーヤーで終わってしまい、真に安定して結果が残せる「強い」プレーヤーにはなれない気がします。

 むろん、現状でも錦織の活躍は十分に賞賛に値するものです。長期間にわたる故障から立ち直り、トッププレーヤーを倒すだけのところまで上がってきました。5時間のマラソンマッチを戦える体力も、これまで「ひ弱い」と言われたことを思えば立派です。何より彼のテニスは観るものを魅了します。それが天才の天才たるゆえんです。ただ、我々テニスファンとしては「松岡超え」は当然として、トップ10入りを錦織に期待しているだけに、もっともっと安定した強さを身につけてもらいたいと願っています。とりあえず3回戦を突破して4回戦ソダーリング戦でまた世界に衝撃を与えるようなパフォーマンスを見せて欲しいものです。



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