幹事クリタのコーカイ日誌2010

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9月3日 ● 横綱対決の民主党代表選。

 菅直人vs小沢一郎という横綱同士の決戦的な民主党代表選が始まっています。小沢の出馬表明が遅れたのは、恐らく慎重に票を読んで勝てると判断できるまで待ったのでしょう。鳩山グループが小沢を支持したことで、計算上、議員票では菅に勝ち目はなくなりました。このままだったら小沢の完勝で首相交代ということになりそうです。ただ、小沢を支持する世論は少なく、鳩山グループの議員たちも本当に小沢支持で固まるのかどうかわかりませんし、そもそも「宇宙人」鳩山のやることは読めませんから、まだまだ予断を許さない状況です。

 菅首相が誕生した時に、僕は「敢えて菅政権の長期化を望む」と書きました。毎年毎年首相が交代する現状が余りにも情けなく、もう少ししっかりと地に足をつけた国政運営をして欲しかったからですが、現実は僕の書いたことと全く逆になりそうです。就任わずか3ヵ月。菅は首相として何もせず、何もする時間も与えられないままその座を降りることになりそうです。

 しかし、小沢が権力の座に上り詰めることにも批判的な人が多いと思います。政治資金の問題をマスコミは執拗に書き続けていますが、僕は小沢嫌いの検察があれだけ頑張っても立証できなかったことをいつまでもグダグダ言っていても仕方ないと思います。ただ世論に支持をされない小沢政権が解散総選挙に打って出ても負けるのは必定。とは言え、衆参のねじれで国会運営もままならず、このままでは小沢は頓死です。

 かと言って菅政権続投を望む人たちは、菅が良いと思っているのではなく、「短命政権はもうたくさん」と思っているか、「小沢はキライ」と思っている人たちということになり、誰も積極的に菅を支持しているわけではないということになります。これでは菅降板も仕方ありません。消極的な支持しかない菅と、支持と不支持が極端にある小沢なら、まだ小沢の方がマシという考え方もありでしょう。

 ただ、では小沢が政権に就いたらどんな政治を行うのか、それが果たして我々にとって本当にプラスになるのか、それをもっとマスコミにも検証してもらいたいと思います。小沢個人が少々私腹を肥やそうがなんだろうが、僕は日本が立ち直り、我々の生活がマシになり、未来に希望を持てる社会になるのなら、全然文句はありません。政治家に限らず仕事をする人間に求めるのはまず結果であり、その人の人間性は二の次です。清廉潔白でも仕事ができない政治家など無用です。人格高潔な藪医者よりも、金に汚い腕の立つブラックジャックのような医者の方が、患者にとってはありがたいのです。そして、今の日本は明らかに病状が進行している危険な患者のはずです。

 もちろん、小沢が本当に噂通りの腕が立つ「剛腕」政治家かどうかは正直疑問も残ります。ただ彼が「壊し屋」であることだけは過去の実績から確か。なので既存の民主党と自民党のわけのわからない「ねじれ」をぶち壊して、もう少し政策や思想できちんとわかりやすく分かれた二大政党に再編するきっかけを作ってくれるのではないかとは期待しています。

 小沢が壊した政界を誰が再構築できるのかはわかりませんが、まずは壊さないと何も始まりません。今のままの民主党政権があと3年続くのはかなりヤバイのではないかと思いますから。



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