幹事クリタのコーカイ日誌2010

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7月7日 ● NHKが大相撲中継中止。

 NHKが大相撲名古屋場所の生中継をやめるそうです。これは驚きました。相撲協会が大嶽親方と琴光喜をスケープゴートにして拙速のうちに幕引きを図っているとしか思えない理由のひとつには、大相撲中継をどうしてもしたいNHKの意向も含んでいると思っていたからです。総合とBSとラジオで15日間たっぷりと午後を大相撲の中継に費やしているNHKは、中継をやめれば番組編成に大きな穴があきます。それでもやめるというのは、よほどの覚悟でしょう。

 中継をやめる理由は「中継中止という形で、よりしっかりした改革を求める強いメッセージを送った」そうだからですが、まあぶっちゃけ視聴者の反発が思ったより強かったからでしょう。受信料取り立てに必死なNHKとしては、大相撲中継をしたことを理由にまた受信料の不払いをされてはかなわないということだと思います。

 ただ相撲協会としてはこれでますます追い込まれたことは間違いありません。何とかスケープゴートを出して乗り切ろうとしたのに、やはり協会の組織改革をかなりわかりやすいカタチでしないと世論は納得しないことを自覚したでしょうし、暴力団との関係も浄化しない限りダメだと思ったことでしょう。

 もちろん、長年の慣行を大きく変えるのは相当なエネルギーを要するし、下手をしたら大手術の果てに失敗して死亡、ということだってなくはありません。あまり相撲協会を追い詰めることは、大相撲そのものの死につながるのではないかという懸念もあります。

 ただ僕はこの数年の相撲界がスキャンダルだらけで問題山積なのは、やはり現行のビジネスモデルが時代に合わなくなってきていて、寿命が尽きようとしているからだと考えています。今こそ新しいビジネスモデルを構築する時だし、痛みを伴ってでも大改革をしていかないと、これから先、相撲という文化が生き延びていくのは難しいだろう思います。

 これだけ大騒ぎになるというのは、まだそれだけ日本人が相撲に興味があり、相撲を愛している証拠です。だったら、どう改革をしたところで大丈夫。土俵の上で力士が相撲を取れば喜んで見てくれる客はいます。相撲ファンは力一杯の相撲が見たいだけで、土俵外のことはあまり興味がないのですから、21世紀モデルの相撲界を作った方が良いと思います。力士たちが余計なことを気にしないで相撲を取れる環境を早く用意してやって欲しいものです。



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