幹事クリタのコーカイ日誌2010

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6月22日 ● サッカーはR15指定にしたらどうか。

 先日のW杯ブラジルvsコートジボワール戦で、ブラジルの中心選手であるカカが2枚目のイエローカードをもらって退場になりました。しかし、それはどう見てもカカが悪いのではなく、相手のコートジボワールの選手に「はめられた」結果です。

 カカがよそを向いている隙にコートジボワールの選手がぶつかってきて、大げさに顔をおさえてひっくり返る。それを見た審判がカカにイエローを突き出し、退場させる。相手のエースを引っ込めてしてやったりのコートジボワール。この結果、ブラジルが負けたら本当に後味が悪いところでしたが、ブラジルは3-1で勝ちを収めたので事なきを得ました。

 ただブラジルが正々堂々と勝ちきったのかと言えば、それもまた違っていて、ブラジルのルイスファビアーノの2点目は明らかにハンド。本人も「あれはわたしの聖なる手が助けてくれたゴール」と認めています。つまり、「どっちもどっち」の卑怯な試合の挙げ句にブラジルが勝ったということです。そして、「これがサッカー」なのです。

 サッカーはこういうことが多過ぎます。やたらと反則が頻発するし、その反則も意図的に狙っている手の込んだ反則がかなり多い。対戦相手だけではなく、審判をも騙そうとするようなプレイも多く、もはやゲームとしてそれは成り立っているのか、と疑問に感じるレベルです。

 仮にルール上はOKだとしても、マナー的にはダメだろう、というプレーが本当に目立ちます。ラグビーの選手やバスケットの選手がちょっと接触したからと言って、いちいち大げさにひっくりかえって痛がったりしません。みんな顔をしかめながらもすぐに立ち上がってプレイを続けます。テニスでは自分に有利なミスジャッジがあった場合に、わざわざ審判に訂正する選手もたくさんいます。ミスジャッジとわかっていて受け入れるようなことはルールではOKでもマナーとしてはNGだからです。ゴルフのマナーのうるささは言うまでもありません。

 かつてブラジル人選手が日本にやってきては「日本人にはマリーシア(ズル賢さ)が足りない」と言いました。もちろんマリーシアは単なるインチキのことを言うのではなく、もっと広い意味での賢い駆け引きを言うようなのですが、実際のW杯では繰り返し上記のようなインチキが行われています。大人なら「サッカーというものはそういう文化のスポーツ」ということで納得して見ていられますが、子どもにフェアプレー精神よりもそういうズル賢さを教えることは決して教育上良くないだろうと思います。W杯はR15指定にして子どもたちには見せないくらいの配慮が必要かも。

 同じイギリス生まれのスポーツでもラグビー、テニス、ゴルフは全てフェアプレー精神を大切にする「マナーのスポーツ」です。サッカーだけが鬼っ子のように育ってしまいました。貴族のスポーツよりも貧しい労働者たちのスポーツだからこそ、貧しい国々にも広がり逞しく世界に根を張ったと考えれば、このマリーシアが溢れる現状も仕方ないのかも知れませんが、日本の子どもたちがこうした「サッカーの感性」で育つことはあまり好ましくない気がします。



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