幹事クリタのコーカイ日誌2010 |
6月23日 ● 錦織と伊達の敗戦。 ウィンブルドン2日目に期待の錦織圭とクルム伊達公子が登場しましたが、2人とも残念ながら善戦及ばず負けてしまいました。しかし、結果はともかく内容的にはそれぞれ見応えがあるものでした。 世界1位のナダルと対戦した錦織は、いかにも彼らしい躍動感溢れるテニスを披露しました。随所にナダルを上回る攻撃力を見せてポイントを奪います。試合内容はむしろ錦織の方が攻めているという印象でした。しかし、結果は2-6、4-6、4-6のストレート負け。要所要所ではきっちりと締めてくるナダルとの力の差は歴然とありました。このあたりは全仏で負けたジョコビッチと同じです。さすがに世界トップクラスは「ここぞ」での集中力が違います。 ただ錦織はまだ20才、そして長いブランクからの復帰途中です。現時点では怪我なくグランドスラム本戦を戦っているだけでも十分な成果だと言えます。ましてセンターコートでナダル相手に戦うなどという経験は、なかなか望んでもできることではありません。この敗戦が来年以降の錦織のチャレンジに必ずや生きてくることでしょう。そういう意味では大きな成果のあった敗戦だったと思います。 伊達の場合は錦織とは事情が違います。39才の伊達に残された時間はあまりありません。本当ならひとつでも勝ち上がっていきたいところでしたが、伸び盛り21才のシード選手相手はやはり厳しいものがありました。と言っても、途中までの試合運びでは伊達の勝ちパターンでした。1セット目は2-6でしたが、徐々に相手に慣れていく段階。2セット目はタイブレを制して7-6。セット後半からどんどん伊達の集中力が上がっていくのがわかりました。 ファイナルセットに入っても2ゲーム目の途中までは完璧で、伊達のテニスは冴え渡っていました。このまま勝ちきるかと思ったのですが、伊達の体にどこか異変があったのか、いきなり2セット目から足が動かなくなってしまいました。こうなると伊達は苦しくなります。最後は自らミスを連発して自滅したように負けてしまいました。やはり39才という年齢が伊達のテニスを苦しめているのでしょう。 錦織、伊達ともにそれぞれ見せ場は作った1回戦敗退。9月の全米オープンにつながる敗戦だったとは思います。
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