幹事クリタのコーカイ日誌2010

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6月5日 ● 菅直人は牙を研いでいた。

 菅直人が新しい首相に就任しました。樽床との民主党代表選の投票結果は菅の圧勝。2人の知名度や実績を考えたら樽床が健闘したという評価もあるようですが、小沢グループが約150人いるのに129票しか獲得できなかったということは、僕は菅の圧勝だと思います。もちろん、菅が勝ったのは樽床ではありません。小沢一郎に勝ったのです。最大派閥を率いる小沢一郎を見事に封じ込めたのですから。

 菅は早速「反小沢」グループの枝野幸男、仙谷由人をそれぞれ幹事長と官房長官に起用する意向を示しています。民主党から小沢色を一掃していこうとしています。世の中の空気を読むのがうまい菅らしい手際の良さです。小沢は内心かなりムッとしていることでしょうが、現時点でそれを表に出してしまったら党を割るしかありませんから、ここは我慢の一手です。まあそのうち折りを見て反撃に出ることでしょうけど、少なくとも参院選が終わってからの9月の代表選まではないでしょう。

 ただ菅が本当に勝つべき相手は小沢ではありません。自民党です。小鳩体制で急降下させてしまった民主党の支持率を回復するために、菅は小沢を窓際に追いやっているわけですし、それを小沢もわかっているから我慢しているのです。じゃあ対する自民党は何をしているのか?これが問題です。なにせ自民党は的外れなことばかり言っています。「短期間で首相が代わるなんて無責任」だとか「国会議員だけで首相を選ぶなんて密室政治」だとか「政治と金の問題について説明責任を果たしていない」だとか、もう言えば言うほど「お前が言うな」と突っ込まれることばかりです。それでは呆れて国民はついてきません。

 そんな自民党を尻目に菅は早速消費税の税率アップを打ち出しています。これまた世の中の空気をよく読んでいます。子ども手当てなどの一連の民主党のバラまき施策で国民は本当に財政は大丈夫かと不安になっています。目先の金を得しても、将来大損するのではないか、ギリシャの二の舞に日本がなるんじゃないかと思っています。その空気を読んで増税を言い出したのは「カイワレ大臣」ならではの反応の良さでした。

 議論好きで短気で「イラ菅」と呼ばれていた菅が、鳩山内閣では大人しく守りに入っていました。無難に任をこなしながら、まさしくじっくりと「次」に向けて牙を研いでいたのでしょう。鳩山とも小沢とも違うリベラルな「菅らしさ」を発揮できれば、落ち込んだ民主党への支持率もかなり回復することでしょう。つくづく、自民党は谷垣で良いんですか?と問いかけたくなります。まるでサッカー日本代表監督が岡田で良いんですか?と問うのと同じように。もう「手遅れ」という答も一緒ですね。



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