幹事クリタのコーカイ日誌2010

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5月21日 ● 外国人力士と猛稽古の無意味。

 場所前に予想されていたことではありますが、今場所も白鵬の独走で優勝が決定しそうです。対抗と思われた新大関把瑠都も失速、他の大関陣もいつもの調子で、誰も白鵬を止められません。挙げ句に大関琴光喜の野球賭博問題まで週刊誌で取り上げられてしまい、もう大相撲はボロボロです。

 今場所も好成績を残したのは外国人力士勢。12日目まで全勝の白鵬を筆頭に、3敗が日馬冨士、白馬、阿覧、4敗が琴欧州、把瑠都、朝赤龍、嘉風、高見盛、霜鳳。幕内下位の嘉風、高見盛、霜鳳を除く全ての力士が外国勢です。もはや日本人力士との実力差は明確であり、すっかり外国人力士上位は固定化しています。

 今場所活躍している白馬は稽古嫌いで知られています。「稽古をしないのにこれだけ勝てるのだから、稽古したらどれほど強くなるのか」と親方が嘆くそうです。白馬だけではありません。白鵬を筆頭にモンゴル勢もまた東欧勢も稽古をあまりしないと言われていて、逆に次期日本人大関とずっと期待されながら足踏みしている稀勢の里や豊ノ島などは稽古熱心だということです。

 稽古しなくても強い外国人力士と稽古しても勝てない日本人力士。これを果たして才能、もしくは体力の差という風に考えていて良いのでしょうか?もしかしたら稽古ばかりしているから日本人力士は勝てないのではないか、という逆転の発想はないのかと思います。

 相撲は言うまでもなく格闘技です。危険な競技であり故障の可能性を常に孕んでいます。そんな競技なのに、バカみたいにやみくもに稽古をしていたら、そのうち故障をするし、時には力士生命を奪われるような大怪我をするということは十分に考えられます。多くの力士はみな故障を抱えながら相撲を取っています。それで実力を発揮できていないのに、単純な「稽古礼賛」主義で良いのでしょうか?

 稽古をしないと言われる白鵬だって、コンディションの調整はきちんとしているはずです。本来の実力が100点満点で30点の力士が50点に高めるには稽古が必要でしょう。しかしもう97点くらいある完成された力士が、99 点に高める稽古をするのは大変です。そんな猛稽古をして逆に怪我をしたり体調を崩したりすれば80点、70点の力しか出せなくなります。それよりも常に90点台の力を発揮できるように無理しないで調整する方が長く土俵を務めるには大事だと言うことは素人にもわかります。

 外国人力士たちが稽古をしないのは「サボっている」からではなく、より勝つために合理的に考えているからでないかと思います。彼らだってはるばる日本にやってきた以上、成功したくないわけがないのです。むしろ帰る場所のある日本人力士の方が甘えがあって当然で、外国人力士の方が必死のはずです。そんな彼らが「敢えて」稽古をしないのなら、それだけの理由があるはずですし、実際それで結果を残しているのも外国人力士たちです。稽古せずに負ければ叩かれることはわかっています。それでも稽古しないで結果を出している外国人力士と、結果の出ない猛稽古をしている日本人力士。どちらが本当の意味で真剣に相撲に取り組んでいると言えるのでしょうか。



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