幹事クリタのコーカイ日誌2010

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5月20日 ● 今は犯人探しよりも火事を消そう。

 東国原宮崎県知事がについて「非常事態宣言」をした記者会見の席上で激怒したとマスコミが繰り返し報道をしていました。大事なことは「非常事態」であることで、知事がマスコミに激怒したことではないはずなんですが、産経新聞は「東国原知事「寝てない!けんか売ってんのか!」 大荒れ記者会見」などと視点のズレた見出しを掲げ、テレビは繰り返し知事が怒ったところばかりを切り取って見せています。そういう視線がいまマスコミが「マスゴミ」だと揶揄されていることに気づかないのかと思ってしまいます。

 知事が「寝てない」からイライラして暴言を吐いた、という報道は明らかに作為が感じられます。本当は記者の質問が県に責任を負わせようとしているのが見え見えだからなのに、そういうやり取りを無視して感情問題にしてしまおうという編集のやり方に受け取るこちら側が「なんだこれ」と違和感を覚えてしまいます。視聴者は昔よりはるかにメディアリテラシーが上がっているし、ツイッターをはじめネットでもこの情報に触れている以上、テレビ報道をただ鵜呑みにするばかりではないのです。

 今回の口蹄疫問題について、自民党もまた政府の対応を批判し責任を問おうとしていますが、いままさに進行中でとにかく急いで対応をしなくてはいけない事態なのに対して、責任の所在をどうこう言って対応速度を遅らせてはいけません。火事の現場で消火活動せずに誰が火をつけたのか犯人探しをしているようなもの。ある程度事態が収束した時点で、さかのぼって検証するのはもちろん必要ですが、むやみと政局化しようとするのは感心しません。むしろ野党も政府に協力してやれることをやる、という姿勢を見せるべき時なのに、足を引っ張ってどうしようと言うのでしょう。

 もちろん責任を不問にせよということではありません。確かに宮崎県も最初の感染牛を見逃していたようですし、政府の初動も遅れたし、赤松農水相は外遊三昧でのんびりしていました。でもそれを責めるマスコミだって最初は軽く考えていた節があって、あまりニュースとして取り上げていなかったし、自民党が政府同様にボンヤリしていたのも一緒でしょう。そういう責任のなすりつけ合いを今やるのではなく、とりあえずみんなでやれることをやろう、という話です。

 これだけ鳩山首相の支持率が下がっているのに、自民党の支持率が一向に回復してこないのも、こういう「わかってない」感じが伝わってきてしまうからだろうと思います。



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