幹事クリタのコーカイ日誌2010

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5月4日 ● 石川遼はマンガの主人公か神の子か。

 難コースで知られる名古屋GC和合コース。中日クラウンズの最終日、石川遼がここで58という世界主要ツアー最少スコアを出して逆転優勝を果たしました。石川が逆転優勝すること自体は彼の力量をもってすればそれほど驚くようなことではないかも知れませんが、やはりパー70のコースで12アンダーというのは「スゴイ」の一言です。本人が「夢の中」だと言っていましたが、もはや「マンガの中」の出来事のようです。

 これまで59の最少スコア記録を持っていた倉本昌弘が「僕の場合はパー71で12アンダーの59だったけど、パーが少ないパー70のコースで58を出す方が、はるかに難しいこと」と語ったように、パーが少なければ当然スコアを縮めるチャンスも少なくなるわけですから、石川の12アンダーは同じ12アンダーでも倉本以上に価値のある記録です。なにせ和合はパー5のホールが2つだけです。一番スコアを縮めやすいパー5が少ない中、イーグルなしでバーディを12も積み上げた石川がどれだけ攻めたか、その挑戦者精神は本当に称賛されてしかるべきです。

 マンガの主人公のようなことをやってのけた石川ですが、さらにスゴイのはインタビューでの言動。相変わらず冷静で完璧な受け答えをしているだけでも18才とは思えないのですが、さらに凄みのある一言がありました。「(世界最少スコアは)これからの僕にとっては過去のものです」。

 いやぁ、言えませんよ、これは。いま新記録を出して逆転優勝したばかりの興奮状態の中でこの落ち着きとチャレンジ精神。ベテラン選手でももっとはしゃぎそうなものなのに、石川はどんな栄光もすぐに過去のものして、次にいけるメンタリティを18才にして作り上げているのです。もはや天才を通り越して「神の子」でしょう。

 「神の子」とは、野村克也が楽天監督の時に田中将大に対して「マーくんは神の子」と言ったのですが、石川の方がはるかに実績も言動も「神の子」に近いと思います。18才にして「生ける伝説」になろうとしている石川遼。早く米ツアーに本格参戦しタイガー・ウッズと互角に渡り合うシーンを見てみたいものです。



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