幹事クリタのコーカイ日誌2010

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5月2日 ● ツイッター界に「相互フォロー組合」が広まっている。

 僕がツイッターを始めてからまだ9ヶ月ですが、このわずか9ヶ月の間に「ツイッター界」はどんどん変化を続けています。あの頃、と言ってもまだ去年後半ですが、周りで「ツイッター」を知っている人間はほとんどいませんでしたが、今や知名度はうなぎのぼり。「聞いたことがある」程度の人なら成人の9割くらいには達するのではないかと思います。

 実際にツイッターのアカウントを持っている人間もこの9ヶ月で3倍くらいには増えたのではないかと思いますし、アクティブなユーザーもかなり目立つようになりました。著名人もどんどん参入してきているので、当時はちょっと名前を知っているくらいの人でもフォローしていましたが、今では珍しくないのでその人が何を呟いているか、内容を吟味してからフォローするようになりました。

 変化が目立つのは「フォロワー数」。去年後半はフォロワーが100人になるのが一里塚、1000人フォロワーがいる人は本当に数少ない有名人とかアルファブロガーとかで、単なる一般人がフォロワー1000人というのはかなり面白いことを書くとか目立つとか、何らかの努力が必要でした。

 ところが今では当たり前のように3000人とか7000人のフォロワーがいる人たちがいます。そういう人たちがじゃあとんでもなく面白いことを呟いているのかと言うと、全然大したことは言ってません。なぜなら彼らは「相互フォロー組合」の人たちだからです。

 この相互フォローというのは「わたしがフォローしたら無条件であなたもフォローしてね」という約束事です。あなたが何者で、どんなことに興味があって呟いているかは関係ありません。ただひたすらフォロワー数を増やすためだけの機械的作業です。この組合の人たちはお互いにハッシュタグで「#followmejp」「#sougofollow」というような魔法の呪文を使って自分が組合員であることを表明します。すると、みんなでよってたかってフォローしてくれるので(これを「支援」と呼ぶ場合もあります)、少ない呟きでもハッシュタグひとつつければ、後はひたすらフォロー返ししているだけでどんどんフォロワーが増えていく仕組みです。

 この相互フォロー、僕がツイッターを始めた頃にはすでにツイッター界に存在していましたが、どちらかと言うとバカにされていたように思います。つまり「フォローは相手の呟きに共感し読みたいからするもの」であり「自分なりのタイムライン」に拘りがある人たちは、変なことを呟くような相手をどんどん削除(リムーブ)していました。こういう人たちはいわば「ツイッター原理派」です。原理派から見れば、相手無関係にフォローしまくるなんて狂気の沙汰であり、いったい自分オリジナルなタイムラインを何と心得るのか、ということになります。

 ところが世の中には「フォロワー数至上主義」な一派がいて、彼らはひたすら預金通帳の金額が増えていくのを楽しむかのように、フォロワー数を増やすことにゲーム的な喜びを感じています。彼らが発明した魔法の呪文による「相互フォロー組合」は原理派の批判をよそにどんどん広まりました。特に「流行りモノ」として無邪気にツイッターに参入してきた人たちにしてみれば、面白さがわかりにくいツイッターの中でフォロワー数という基準はわかりやすく、それを増やすことがツイッターだと思ってしまうのも無理ありません。中にはハッシュタグをあれこれつけすぎて、肝心のツイートを書く文字数があまり残っていない人まで見掛けます。

 かくしてツイート数が20くらいなのにフォロワー数が1000人超とか、先日見た人はツイート数3でフォロワーがすでに700人を超えていました。僕はあくまでも原理派に近いので、相互フォローもフォロー返しも無条件ではしません。あくまでもフォローは相手次第ですが、いつの間にかそんな自分が少数派になってしまいそうで驚いています。驚いているだけでいくら少数派になろうとも転向はしませんけどね。ツイッターはどう愉しもうが各人の勝手ですから。

 それにしてもタイムラインを読みもせずに、ひたすらフォロー返しに励み、「フォローありがとうございました」の返信やDMを書く作業って不毛じゃないんでしょうか?楽しいですか?で、そうして獲得した数千人のフォロワーに対して何を発信したいのでしょう?まあ発信しても、相手もフォロー返ししただけで、まともに読んでないのですから無意味ですけどね。別に相互フォロー組合が悪いとは思いませんし、楽しい人はどんどんやれば良いと思いますが、僕にはよくわかりません。



twitterでもつぶやいています@kanjikurita

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