幹事クリタのコーカイ日誌2010

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3月31日 ● 「龍馬伝」第二部に向けて。

 NHK大河ドラマ「龍馬伝」が第一部終了だそうです。これまで大河ドラマにそんな区切りがあったのかどうか、あまり定かではないのですが、まあ1クールのドラマに慣れた視聴者には、こうして民放と同じように区切っていく方が良いのでしょう。

 世間ではなかなか好評というか、従来の大河ドラマファンとは違う若い視聴者層にも受けているようで反応は悪くありません。一番の理由はやはり主役の福山雅治の現代的な龍馬に対する好感度の高さ。これまでの「豪快」「大雑把」「汚い」という龍馬像を覆す「キレイ」で「繊細」な草食系の龍馬を作り上げています。あのヘタレぶりはいかにも平成22年の龍馬です。なぜあんなヘタレな癖にモテモテなのかわかりません、と言うか、顔が福山だからモテるんだろうなとしか思えませんが、とにかく草食系龍馬というのは新しいと思います。

 二番目はロケを多用した金のかかった映像。去年があまりにもチープだったため、今年は本当にきちんと絵を作っているなぁと思わされます。もともと大河ドラマは金をかけて作っていることが売りだったのですから、原点回帰ではあるのですが、特に印象的な海の絵を繰り返し見せるのは「海」と「船」に生きた男である龍馬のドラマとしては大事な点だと思います。

 三番目は岩崎弥太郎を演じる香川照之をはじめ、脇のキャストがうまくはまっていること。龍馬の福山雅治が演技力と言うよりも本人の素の魅力で演じているのに対し(だからこそスターなんですが)、香川は徹底して演技で勝負しています。やりすぎ感すらありますが、あそこまでやらないと福山龍馬に対抗はできません。香川弥太郎の今後は大いに期待したいと思います。

 福山、香川だけではなく、平井加尾役の広末涼子も、千葉佐那役の貫地谷しおりもヒロインとして十分に魅力的。大森南朋の武市半平太も少しずつダークサイドに堕ちていくダース・ベーダー的役柄をその暗い目の輝きでよく表現しています。活躍の場面は少ないですが、乙女役の寺島しのぶもイメージ通り。惜しいのは谷原章介の桂小五郎が現代的で軽過ぎる気がするのと、千葉重太郎の渡辺いっけいが出てくると、いきなり福山との絡みが「ガリレオ」に見えてしまうところ。佐那が柴咲コウではなくて本当に良かったです。

 さて第二部以降では勝海舟に武田鉄矢というのがとても不安です。「JIN-仁-」で緒方洪庵を演じたばかりで、今度は勝海舟。キャストが混乱します。勝は小日向文世ではなかったのか、なんて。だいたい江戸っ子の勝を武田鉄矢じゃねぇ。おりょうの真木ようこは楽しみです。イメージはピッタリ。第二部になると龍馬はいよいよ本格的に日本中を動き出すことでしょうし、そうなるとドラマも一気にダイナミズムを増してくるはず。これまでのホームドラマ的展開からいよいよ幕末歴史ドラマらしくなります。本来の大河ファンも楽しめるようになるはずと期待しています。



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