幹事クリタのコーカイ日誌2010

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3月27日 ● 斎藤一人「絶好調」の教え。

 不況になると自己啓発本が売れるらしいです。今の僕は自己啓発本をほとんど読みませんが、中学生から高校生の頃に加藤諦三にはまった過去があることは告白しておきます。ニッポン放送の「テレフォン人生相談」を聞いていたわけではなく、本屋でたまたま手に取って「良いこと言ってるじゃん」と感動しました。香ばしい10代の思い出です。

 世の中には自己啓発大好きな人と、大嫌いな人に分かれる傾向にあるようです。僕のように思春期にはまるのは理解できますが、良い年をした大人が自己啓発本大好きというのはどうかと思うのですが、実際にどんどん本を買ってくれるので、二番煎じ、三番煎じの自己啓発本は常に本屋に大量に並んでいます。

 昨日、自己啓発本の代表的著者である斎藤一人の「絶好調」という新刊をたまたま本屋で目にしました。斎藤一人は銀座まるかんという漢方薬を売っている店の創業者で、高額納税者番付に毎年載っていたことで有名になった人物です。僕の後輩のM崎くんが斎藤一人を尊敬していて、いろいろと彼の「教え」を伝授してくれるので、僕は本を一冊も読んだことがないのにやたらと詳しくなってしまいました。

 たまたま本屋に平積みされていた「絶好調」は、斎藤一人の講演及びその弟子たちの話をまとめたものです。こう書くとまるで聖書のようですが、実際「ひとり教」はかなり信者を増やしているようで、講演会があれば満員だそうですし、まるかんが売り出している「パニウツ元気」という高価なサプリもよく売れているそうです。

 で、その「絶好調」ですが、やたらと大きな文字でデザインされていることもあり、20分くらい立ち読みしたら全部読めてしまいました。1500円の方が立ち読み20分では信者以外には売れないかも知れませんが、斎藤一人は大金持ちですから、売れても売れなくても読んでもらえれば構わないだろうと勝手に思っています。

 読んでみて思ったのは、その徹底したポジティブシンキングと言霊信仰。まあ知ってはいましたが、とにかく前向きな言葉を常に口に出していれば、そのうちそうなっていくというのが「ひとり教」の真髄のようです。本のタイトルになっている「絶好調」というのも、100%じゃなくても20%くらいでも「絶好調です」と言っていれば、そのうち本当に絶好調になれるという教え。逆に調子が悪いと言っていると、いつまでたっても良くならないよ、と。

 確かに愚痴や不平不満ばかり言っているのは良いことではありません。言われた周りも迷惑だし自分も言うことでさらに落ち込みます。しかも言ったところで何の解決にもならないことがほとんど。だったら前向きなことを言って周りを明るくしていけば、そのうち自分も浮上できる、というのは理屈です。本の中には首を傾げたくなるような話もあるのですが、おおむね納得できることが書かれていました。

 自己啓発本に漂う「あやしさ」から拒絶する人がいるのはわかりますが、書いてあることはいたって前向きで常識的でまともだったりします。人生がうまくいっていて必要のない人には全く必要ない本ですが、こういうものを求めている人、すがりたい人もいることでしょう。不況時に受けるというのもよくわかります。「ひとり教」に入信する気にはなれませんが、良いところは取り入れていけば良いかなと思いました。



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