幹事クリタのコーカイ日誌2010

[ 前日翌日最新今月 ]


 
3月21日 ● 「エンタの神様」最終回。

 7年間続いた「エンタの神様」が昨晩で最終回を迎えました。賛否両論あった番組ですが、日本のテレビ芸能史に大きな足跡を残した番組であったことは確かだと思います。

 僕は番組開始当初から見ていました。最初のうちは「エンターテインメント」の本来の定義にのっとって、お笑いよりも音楽に力点が置かれていました。そもそもが「夜もヒッパレ」の枠ですから、それも自然の流れです。モーニング娘。や森山直太郎やGacktなんかが出ていたのを覚えています。

 ところが視聴率が伸び悩む中、お笑い芸人のネタ見せ番組にシフトしてから爆発的にヒット。いわゆる「お笑い第5世代」(というらしい)を生み出す今のお笑い芸人ブームを作り出した源流となりました。初期の青木さやか、友近、はなわ、アンジャッシュ、いつもここから、だいたひかる、長井秀和、レギュラーらから始まり、最盛期には波田陽区、小梅太夫、にしおかすみこ、桜塚やっくん、摩邪、藤崎マーケット、陣内智則、ジョイマンなどが次々とブレイクしていきました。

 テロップがうざいとか、編集が入っているとか、ネタを芸人に押しつけるなどの批判も何のその、「笑いの金メダル」をはじめ、他局に次々とフォロワー番組が登場するほどの先駆者としてのパワーを見せ続けていました。歌ものとコント仕立て、そしてあるあるネタに力を入れていて、「エンタ芸人」という呼称が生まれたくらいでした。

 ところが「爆笑レッドカーペット」の登場以降、「エンタの神様」はスピード感を失っていきます。それは単に1分間で次々と芸人が変わっていくレッドカーペットの方がスピード感があるという話ではなく、出演する芸人の「旬」と芸人のネタの「旬」をともに見失っていて、常に旬のお笑いを提供し続けられなくなったからです。

 番組後期になると、他局でブレイクした芸人がようやく「エンタ初登場」となって出てくるようになりますが、それはエンタが新しい芸人を発掘できていなかったという証拠です。いつまでも旬の過ぎた芸人を使い続ける一方で、ブレイクしそうになっている芸人を出演させないでいる「目利き不足」が番組の低迷を招いてしまいました。

 この2年間くらい、僕も観るネタ番組の優先順位は「あらびき団」→「レッドカーペット」→「エンタ」の順番でした。なぜなら芸人もその順番で徐々に番組に露出してきますから、エンタに出る頃にはすっかり見飽きてしまっていたりします。

 今回の番組終了は当然であり、これ以上引っ張る意味はありません。後番組は人気絶頂の嵐の番組ですから、局としても後番組に大いに期待していることでしょう。最後の挨拶で福澤朗が「今後はスペシャル番組として」と言っていたので、様子を見てたまに復活することもあるんでしょうが、番組の使命は終えたと思います。

 ちなみ僕が好きだったエンタ芸人はヒライケンジでした。やっぱりエンタは歌ものに限ります。



twitterでもつぶやいています@kanjikurita

gooブログでも読めます「幹事クリタのコーカイブログ」