幹事クリタのコーカイ日誌2010

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3月10日 ● 「粉雪」が舞った「3月9日」の話。

 数日前の桜が咲きそうな暖かさから一転して、ここのところ冬に戻ったような寒さ。特に昨日は関東では雪が降って、まさにイルカの「なごり雪」みたいだなぁと思っていました。「東京で見る雪はこれが最後」なのかなぁと。まあこれはいかにもアラフィフのオジサンの発想で、若い子にしてみたらもちろん「3月9日」の「粉雪」ですからレミオロメンの日だったわけです。

 まあ「なごり雪」にしろ「粉雪」にしろ、せつない感傷的な名曲に違いないのですが、「3月9日」がこれまた素晴らしい曲で、レミオロメンはこの1曲をもってして日本の歌謡史に名を残せるのではないかと僕は思っています。

 もちろん日本では3月は卒業という一大イベントがある「別れの季節」ですから、感傷的な別れの歌は本当に腐るほどあります。ところがこの「3月9日」はメロディーラインからすると同様な別れの曲のように思えるのですが、その歌詞はこれからも2人でずっと寄り添って生きていこう、という前向きなラブソングなのです(友人の結婚式のために書いた曲だそうですから当然なんですが)。

 僕はこの歌を初めて聴いた時はてっきり死んだ恋人のことを歌っているんだと思い込みました。「瞳をとじれば あなたが まぶたの裏にいることで」というサビのフレーズから、そういうストーリーを勝手に想像してしまったのです。マイナーに歌い上げるボーカルからも決して前向きなキラキラ感は感じられませんでした。

 ところがよくよく歌詞を聴くうちに「あれ?」と思ったのです。サビ以外の歌詞が春先の情景を美しく綴っていて、そのキリッとしていて、でも底には春の温かさが感じられる空気の中で、恋人と一緒に歩んでいこうという気持ちがしっかりと歌われています。それに気づいたときに「やるなぁ」と感心してしまいました。まさにこの空気感は「3月9日」なのです。2月27日でも3月20日でもありません。このタイトルをつけたセンスは実に非凡です。

 まあ僕なんかがここで改めて誉めなくても、「3月9日」はこの季節のスタンダードナンバーとして早くも定着しつつあります。結婚式だけではなく卒業式でも「前向きな旅立ち」という意味ではふさわしいということになっているようです。昨日はどれほどラジオでこの曲が繰り返しかけられたことか。まあ良い歌は何回聴いても良いですけどね。



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