幹事クリタのコーカイ日誌2010

[ 前日翌日最新今月 ]


 
2月16日 ● なんでも「若者の○○離れ」ではダメでしょ。

 面白いスレッドがありました。「若者の○○離れのガイドライン」。いまマスコミで毎日のように取り上げられる「若者の○○離れ」。クルマが売れないのも雑誌が潰れるのもスキー場が閑散としているのも全て若者が離れていってしまったから、という論理。そういうマスコミの事例を集めて皮肉っているスレッドですが、読んでいると確かに何でもかんでも若者のせいにしているなぁと思います。

 我が家にいる2人の若者(大学生と高校生)も、親世代とはいろいろ好みが違います。そういう意味では昔の若者に比べて「離れ」ていってるものがたくさんありますが、その分、他のこと(ケータイとかフットサルとかお笑いとか)に若者は近づいていっているわけで、それを取り上げないで不況を若者のせいにしているばかりではダメでしょう。

 そもそも今も昔も若者は社会や経済のために生きているわけではありません。昔だって自動車メーカーを儲けさせるために若者がスポーツカーを買っていたわけではなく、単にそれをカッコイイ(もしくは女の子にモテそう)と思っていたから買っていただけ。逆に言えば若者にクルマが売れないのは、今の若者に欲しいと思わせるようなクルマを開発できない自動車メーカーの怠慢に過ぎないのです。

 それは雑誌だってお酒だってプロ野球だって一緒で、若者が昔からの文化に自分たちを合わせる必要はありません。彼らは欲しいものが欲しいだけ。お金を遣わないのは、それが単に要らないものだからです。売れなくなったものばかり見ていないで、なにが売れているか、どこにニーズがあるのかをもっと見極めて適切に業態変化をしていかなければ取り残されるのは当たり前です。

 ただ少子化の影響でボリュームゾーンではなくなった若者をいつまでも消費のメインターゲットに据えておくのもまた無意味です。これから10年間で一番お金を使ってくれるのは「持っている」「たくさんいる」「元気がある」60代です。「若者の○○離れ」を嘆いている暇があったら、そんな若者から「離れ」て高齢者にシフトした商売を始めれば良いのです。

 もし若者から高齢者へターゲットが一気にシフトしたら面白いでしょうね。商品開発も広告手法もマスコミも街も大きく高齢者向けに変わっていきます。すでにこのシフトは一部では起きていますが、今後はますます顕著になっていくことでしょう。個人的にはかなり興味深いと思っています。なにせ自分も五十路を目前にしていますからね。他人事ではないので。


twitterでもつぶやいています@kanjikurita

twitterまとめブログはこちら