幹事クリタのコーカイ日誌2010

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2月15日 ● 上村愛子は負けていない。

 バンクーバー冬季五輪が開幕しました。早速日本期待の女子モーグル上村愛子が登場。惜しくも4位となりメダルを逃してしまいました。ただ彼女の滑りは良かったと思いますし、あれだけ頑張ってメダルに届かなかったのは仕方ないかなという感じ。メダルを逃しても4位なら立派。上村に「負けた」という表現は似つかわしくないと思います。大体一発勝負のモーグルで長野から7位、6位、5位、4位とひとつずつ順位を上げてきたその安定感は素晴らしいと思います。まあ一発をうまく生かして過去にメダル2個の里谷多英とどうしても比較されてしまうのが残念ですけど。

 さて、上村のように実力も人気も兼ね備えたスター選手たちは日本中の期待を一身に背負いますから何かと大変でしょうが、そうじゃない「出られただけで満足」、言い換えれば最初から「負けている」選手たちは大いにオリンピックをエンジョイしていることでしょう。なにせ周りを見渡せば有名選手ばかり。選手村はキレイで食事も美味しいそうですし、五輪観戦もバンクーバー観光も楽しいし。一応自分の参加する競技には全力を尽くすことはもちろんですが、かと言って注目されていない分、「自分のベスト」さえ尽くせば結果はどうだろうと文句を言われることもありません。

 しかも一度オリンピックに出れば生涯「五輪代表」の肩書きはついてきます。日本人は異常なほどのオリンピック好きですから、この肩書きはかなり有用。キャラが立てばテレビタレントにもなれるし、話がうまければ解説者ができます。ダメでも自分の競技団体の中では大きな顔をして役員やコーチになれます。もちろん競技を離れて商売をするにしてもサラリーマンになって営業をするにしても五輪経験を売り物にできますから、これほど潰しがきくものはありません。

 もちろんできることなら金とは言わないまでもメダリストになれれば最高ですが、まあそこまで贅沢を言わなくても大丈夫。それにメダルが取れるような選手になってしまうと、逆にマスコミに狙われてスキャンダルも掘り返されるし、服装や態度が悪いとバッシングも受けます。目立たない方がかえって後々生きていくには楽かも知れません。

 僕も生まれ変われるものなら、競技人口の少ないマイナースポーツを狙いで頑張ってオリンピックに出てみたいものです。ただマイナースポーツは団体が金を持っていないから自分が金持ちじゃないと強くなれないんですよね。馬術とか射撃とか一般人じゃ無理だもんなぁ。上村愛子から話題が大きく逸れてしまいました。


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