幹事クリタのコーカイ日誌2010

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2月11日 ● 五輪を放映しても赤字?

 バンクーバー冬季五輪が間近に迫ってきています。さらに今年は南アでのサッカーW杯もあります。巨大スポーツイベントは今や数少ない国民的関心事であり、それゆえに高視聴率も期待できますから、テレビ各局も報道に熱が入ります。

 ところが、放映権料が高騰しているにも関わらず、昨今の不況でCM収入が激減しているため、これらの放送がピンチだというのです(こちら)。放映権料に制作費を加えてもはるかにそれを上回るCM収入があったので、これまでテレビ局にとって五輪やW杯は打ち出の小槌でした。ところが今のままではバンクーバー五輪は赤字の可能性すらあるとか。これが続けばテレビ局も巨大スポーツイベントを放映できなくなり、ついには民放は撤退、NHKとペイテレビでしか放送はなくなるかも知れません。

 テニスファンならこの状況がマズイことはわかると思います。かつてプロテニスの試合は民放で普通に流れていましたし、ウィンブルドンなどもNHKで放送していました。ところが視聴率が取れなくなってきたテニスは、どんどんマスコミの隅っこに追いやられてしまい、今や四大大会は全てWOWOW、それ以外のツアー大会はGAORAで見なくてはなりません。地上波でテニスを見ることはほとんどなくなったのです。

 もちろん熱心なファンならテレビに少々のお金を払ってでも見ることでしょう。しかし、一般の人はそれでは見てくれません。そうやってテニスを観戦するという文化が日本から消えていき、プレイヤー人口は世界有数のテニス大国にも関わらず、観戦人口は極端に少ない歪な国になってしまいました。

 これまでの五輪やW杯でもテレビ中継の威力が裾野の拡大と人気の向上に大きく寄与してきました。それが放映権料の高騰という理由でなくなってしまうと、日本のスポーツ文化は一気に萎んでいってしまう可能性が大です。これは結構スポーツ界にとってはピンチです。

 ただ個人的にはそう朝から晩までオリンピックをやらなくても良いし、日本戦以外のサッカーの試合を全部中継してくれなくても大丈夫。今の放送体制は過剰なので、少し縮小して一部をペイテレビに移行しても構わないとは思っています。もっともIOCはパッケージでセールスしているので、今のままでは日本で人気の競技だけとかバラ売りはしてくれないんでしょうけどね。そのあたり、もう少し誰か交渉上手な人がうまくやってくんないかなと思います。


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