幹事クリタのコーカイ日誌2010

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2月5日 ● 絶妙のタイミングでの朝青龍引退発表。

 朝青龍が突然の引退宣言。これにはちょっと驚きましたが、予想できないことではありませんでした。暴行を加えた「知人男性」とは示談で済ませたようですが、ここまで騒ぎが大きくなってしまっては協会も何らかの処分を下さずにはいられないし、その「処分」とは解雇だと世間は思っています。巡業さぼってサッカーしていて出場停止なんですから、一般人に暴行を加えれば出場停止では収まらないのも理の当然です。

 しかし、天下の横綱を「解雇」というのは、協会、横綱ともに傷が大きすぎます。解雇するということは朝青龍の罪を公式に認めることです。協会としても看板に自ら傷をつけるのは何としても避けたいでしょう。かと言って「不起訴処分」では世間が納得しません。そこで処分の前に朝青龍が自ら引退を発表するというのは「落としどころ」という意味では最高の手でした。そもそも横綱の出処進退は横綱自身が決めるものだという角界のルールがありますから、それを利用するわけです。本来このルールは降格のない横綱の力が衰えた時のためのルールだろうと思うのですがね。

 朝青龍が引退してしまえば、全てのことは水に流してうやむやのうちに終わらせることができます。「死者をむち打たない」心優しき日本人は、引退してしまった人間にさらに追い打ちをかけるような真似は好みません。むしろ「潔い」とその決断を誉めたたえ、朝青龍の好感度は一気にアップします。ボロボロに傷ついて解雇させられたら、朝青龍はほとぼりが醒めるまで日本にいられませんが、自ら決断しての引退なら、明日から即営業活動に入れます。

 協会には残らないでしょうから、今後はモンゴルでの実業家活動と、日本でのタレント活動にいそしむことでしょう。どうせこの先、相撲を取っていても白鵬に勝てる見込みはありません。しかも、そろそろ力をつけてきた若手の踏み台になって無様な姿を見せるくらいなら、優勝したまま引退という方が「強かった」イメージを保てます。若くしてステージを去って老醜を晒さない美人女優と同じ理屈です。今回の引退劇はいろいろな意味で最高のタイミングだったと思います。

 噂されるK−1への転身はどうでしょうね?谷川貞治はもう動いているかも知れませんが、朝青龍にはあまり旨味はないかも。もっともファンとしては曙が無様な姿をさらしてしまった以上、朝青龍に力士代表としてリベンジしてもらいたい気持ちもあります。「相撲最強」説を確かめるには、朝青龍以上のアスリートは考えられませんから。


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