幹事クリタのコーカイ日誌2010

[ 前日翌日最新今月 ]


 
2月4日 ● 安治川親方の実は深い戦略。

 元幕内・光法の安治川親方は進退窮まっていた。貴乃花親方と対戦したことはないけれど、同世代のスターとして現役時代から憧れていたし、相撲協会がいまどうしようもなく行き詰まっていることもわかっている、何とかしなければならないと安治川親方も考えていた。しかし自分は立浪一門、しかも借り株の部屋付き親方で現役時代にさしたる実績もない。そんな自分に何ができるというわけでもないが、だったら、せめて貴乃花に一票を投じて彼に未来を託してみよう。多分7票しか持っていない彼は落選するかも知れないが、せめてもの気持ちを届けよう。幸い投票は無記名でしかも筆跡がわからないように○をつけるだけだから。

 ところが驚いたことに貴乃花は当選してしまい、自分の一門の総帥である大島親方が1票足らずに落選してしまった。これはヤバイ。恩義のある大島親方を落としたのはオレだ。すぐに一門で誰が裏切り者なのか戦犯探しは始まった。バレるのは時間の問題だ。一門につまはじきにされたらもう協会にはいられない。よし、だったら潔く記者会見で自分が票を投じたと発表して辞めてやろう。その方が気持ちもスッキリするし、格好いい。

 ところが破れかぶれのつもりの記者会見で事態は急展開した。いきなり時の人になった安治川親方を世論が大いに擁護しはじめた。当初は「あいつ、何を考えているんだ!」と息巻いていた一門の親方たちも、このまま辞めさせたら世論を敵に回すことになると気づいた。マスコミのみならずタニマチからもいろいろと意見が届くし、よくわからないがネットとかでも大いに安治川株は上がっているらしい。ツイッター?なんじゃそりゃ。とにかく、ここは寛大なところを見せて安治川を許しておいた方が得策のようだ。

 そう考えた立浪一門は「慰留」という名の強制的な辞意撤回を安治川にさせた。驚いた安治川だったが、もとより協会を辞めたら食べていける自信はない。ここはしおらしい顔をして従っておくに限る。まあ今後はかなり冷や飯を食わされるかも知れないが、そもそも今だって大したものではないのだから。

 ・・・と言うのが、今回の安治川親方の一連の騒動の大筋だと思ったら、実は大間違い。本当は安治川親方は最初から「成り上がり」作戦の展開を考えていたのです。それは以下のようなものです。

 このままでは早晩安美錦から借りている親方株を返して協会を辞めなければならない→と言っても、いまどきちゃんこ屋も儲からないし、サラリーマンをやる自信はない→だったら世間にアピールするようなことをして知名度を上げてタレント転身、スポーツキャスターとかできないだろうか→おっ、理事選がある。ここで貴乃花に入れて自分が入れたと名乗りを上げれば注目度一挙にアップ!→うまくマスコミを利用して味方につければ好感度もアップ!→そこでタレント転身、スポーツニュースはもちろん、ひな壇芸人にも負けないぞ、オレも現役時代には相撲よりも「コメント力」で注目を集めた男だからな。

 これが安治川親方の深い戦略です。逆境を一点突破するためにマスコミを利用して世論を味方につけるというこのやり方は、小泉純一郎に学びました。幸い、安治川親方も眉がキリッとした男らしい顔立ちです。機転もきくし弁も立つ。きっとタレントになってもうまくいくはず。現時点で安治川親方の計算通りに事態は進行中です。後はどのタイミングで協会と対立して世間の同情を集めながら辞めるか。うまく辞めれば、浜ちゃんの番組で突っ込んでもらえる日も間近です。

 以上、全て僕の妄想でした。今回のことを安治川親方が正義感から起こした行動なのか、もっと深い意図があったのかはわかりませんが、いずれにせよ安治川親方は相撲協会に残るよりも、今のうちに相撲コメンテーターとして芸能界に転身した方が良いのではないかとは思います。


Twitterでもつぶやいています@kanjikurita

Twitterまとめブログはこちら