幹事クリタのコーカイ日誌2010

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1月28日 ● 貴乃花が先にやるべきこと。

 相撲協会の理事選を巡って大紛糾しています。慣例を破って貴乃花親方が強引に理事選に出馬するということから、二所の関一門から貴乃花派の親方が破門され、一門ごとの投票の締め付け対策、それに対して文部科学省が乗り出したとか。メディアはこれ以上なく面白いネタとして飛びつき、余計に火に油を注いでいる感じです。

 貴乃花の相撲協会を改革したいという熱意はわかります。純粋に相撲界を憂いているのでしょう。ただ現役時代からその純粋さゆえにトラブルを引き起こしてきた彼が、今回のような政治力が必要とされる場面では、勝ち目はないだろうと思います。もし万一波乱が起きて彼が望むように理事になっても、恐らく協力者も理解者もおらず何もできないことでしょう。軋轢を残すだけで終わりそうです。

 ただ相撲協会にも貴乃花の熱意を受け止めるだけの懐の深さがないのが残念。なまじ実績を残した大横綱だけに面と向かって話をし、納得させられる人間がいなかったのかも知れません。まあそれだけ協会も人材不足なのでしょうし、だからこそ今の相撲界の現状があるのだとも言えますが。

 相撲人気を再び復活させるのに一番有効なのは、ゴルフ界における石川遼のような若き日本人スターの登場です。土俵外の改革も必要でしょうが、何よりもファンは面白いワクワクするような相撲を見たいのです。かつての貴乃花がそうであったように、オーラをまとった才能溢れる若者が昇り竜のごとく番付を駆け上がってくる姿を見たいと待ち望んでいます。そんな力士が並み居る外国人力士勢と戦いを繰り広げれば、否が応でも盛り上がります。協会改革よりも何よりも日本人横綱を育てることが鍵になるのです。

 貴乃花は親方になってから関取を一人も育てていません。大横綱・貴乃花の名声で集まった才能ある弟子を満足に育てられないような親方が何を言うのかと、他の親方から思われても仕方ありません。まずは弟子を一人前にして親方としての実績を作ってから物申すべきではないかと思います。部屋ひとつ満足に盛り立てられない人間が、相撲界全体の舵取りをしたいと言っても説得力がありませんから。


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