幹事クリタのコーカイ日誌2010

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1月25日 ● 30才で子ども扱いされる時代。

 先日のことですが「35歳で年収300万以下」という厳しい話と、「30才未満はネットも恋愛も禁止」という首を傾げたくなるような話がネットで話題になりました。どちらも僕のようなオジサンには直接関係ありませんが、20代、30代には興味深い話でしょう。

 前者は10年前に比べて35才の年収が大きく落ち込んでいるということで、もちろんこれは昨今の経済状況の悪化の影響です。非正規社員の増加と、正社員であっても全然昇給しない状況ですから、何年働いても新人時代とあまり年収が変わらないそうです。年収が低ければ結婚も考えにくいし、結婚していても子どもを生み育てるのが難しくなります。少子化はますます進むし、本来なら活発に消費活動を行う層が沈滞してしまいますから、ますます景気が悪くなるという悪循環。これはかなり深刻な問題です。

 なにせ年収350万円というのは、いくらデフレ時代とは言え、きちんと妻子を養っていけるような金額ではありません。大人として一人前という給料を貰っているとは言えないのです。給料が安くても贅沢しなければ、工夫をすれば何とかなる、ということはもちろん生きていくための知恵としてありますが、そういうこととは別に「一人前として認められていない」額しか貰えないことが問題です。本来なら働き盛りで会社を支える中核として働くべき年齢である35才が、そんな扱われ方では社会の活力が失われますし、本人もいつまで経っても自己を確立できません。35才なりの責任を持った仕事をして欲しいのに、その給料では責任なんか持ちたくないですからね。

 「30才未満はネットも恋愛も禁止」というのは愛知県が条例案として出したものですが、かなり本来の意図とは違う読まれ方をしてセンセーショナルに取り上げられてしまったようです。ただこの話が「読み間違え」だとしても、これだけ注目を集めたのは、実際に人々の中に「30才未満はまだ子ども」という思いがどこかにあるからです。だからこそ「そんなバカな」「でもそれってあるかも」という気持ちが交錯して話題になったのだと思います。

 現代人の未熟さ、幼さを表して、かつての年齢の7掛け程度だという説があります。今の30才は昔の21才程度、40才が28才、50才でようやく35才くらいの精神年齢ではないかということです。この理屈なら30才未満を大人扱いしないのも納得がいきます。一人前として認められるのは40才過ぎから。50才でもまだまだ働き盛りで元気いっぱいということです。

 いまどきの30才は本当に大変です。給料は安くて結婚生活を営むのも難しいし、社会からはいつまでも子ども扱いされて一人前とは認められない。逆に我々のようなオヤジ世代は楽しい時代かも。昔のように「年甲斐もなく」とか揶揄されることもなく好きなことにチャレンジできるし、それを「若さの表れ」だと肯定的に認めてくれます。まあ僕らの上の世代は金もガッポリ持っていますから、もっと楽しいことでしょうけどね。


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