幹事クリタのコーカイ日誌2010

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1月3日 ● 箱根駅伝に興味のない人間だっているのだ。

 正月休みは3日までか4日までか5日までかは会社によって違うことでしょう。うちの会社は3日までで4日には仕事始めです。もっとも僕は毎年4日は休暇を取ってテニスすることにしていますけど。どうせ初日なんて挨拶ばかりで大して仕事なんてしないんだから、というのは、実は昔の話で、最近は仕事始めの式が終わったら普通に仕事するんですけどね。昔は良かったなぁ。式が終わったらビールで乾杯して解散だったもの。世知辛い世の中になったものです。

 そんな短い正月休みで、特に何の予定もない日なんて1日あるかないか。昨日はそんな暇な日だったので、のんびり起きてテレビをつけたら箱根駅伝をやっていました。昨年箱根駅伝を舞台にした三浦しをんの「風が強く吹いている」を読んだので、ちょっと見てみようと思ってしばらく観戦していたのですが、5区で東洋大の柏原竜二が昨年を上回る素晴らしい走りを見せたこと以外は普通の学生の駅伝です。なぜこのレースばかりが特別扱いされるのか全くわかりません。

 なんて言うのは嘘で、もちろん箱根駅伝が特別視されている理由はわかっています。長年にわたる読売新聞と日本テレビによる洗脳の成果です。それは単なる高校生の野球大会を特別神聖なものに洗脳してしまった朝日新聞・毎日新聞の策略と同じ。洗脳されていない部外者から見ればその熱狂ぶりは「おかしい」としか思えませんが、もはや一種の宗教のようなものだから、とやかく言ってもどうしようもありません。

 ただ日本全国で通用している高校野球と違い、関東地方の人が思うほど、この洗脳は地方では有効に効いているわけではありません。箱根駅伝は関東の大学以外は参加できない関東ローカルの大会です。読売新聞の力が及んでいない東海以西では「正月に大学生が走っている」というだけ。東京のキー局が「箱根には勝てない」と勝手に白旗を上げて裏で再放送ばかり流しているから仕方なく見るものであって、本当はダラダラ学生のかけっこなんか見たくないや、という人がたくさんいるはずです。

 学生スポーツの普及という観点からしても、箱根の弊害は大きいと思います。近年箱根の人気ばかり上がるから有力な学生はみな関東の大学に集まるようになってしまいました。関東の大学の指導者が優れているとも、関東の大学の施設が素晴らしいとも限らないのに、「箱根で走れるから」というだけで選手が集まり実力差がどんどん開いていきます。女子には箱根がないから、女子の大学駅伝の強豪校(立命館、佛教、名城など)は西日本に偏っています。関西、中国、九州、東北などの学校が強い高校駅伝を見てもわかるように、そもそもロードレースの強い地域は関東ではないのに、男子の大学駅伝だけが関東偏重になっているのは全て箱根のせいです。他地域の大学のためにも、箱根を全国の大学に門戸を開くか、11月の全日本大学駅伝を中心にするように陸連が調整する必要があるのではないかと思います。

 まあそんなことをブツブツ言ったところで、僕は大学関係者でも陸上関係者でもない完全な部外者なのでどうでも良いんですが、せめて日テレ以外のテレビ局は箱根の裏にまともな番組を持ってきて欲しいです。と言っても、そもそも正月にまともな番組なんて期待する方がいけないのか。だからみんな箱根見ちゃうんだもんな。


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