幹事クリタのコーカイ日誌2009

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12月20日 ● 長所は底意地の悪さ。

 僕がテニスというスポーツが好きなのはいろいろ理由がありますが、なにより対人競技だからです。すなわち相手があってするスポーツなので、自分の技術以外に駆け引きや戦略を駆使して勝つことが可能だからです。ゲームで言えばコンピュータ相手にファミスタをやるよりも、他の人と対戦する方が面白いのと同じ。純粋に技術と体力だけで勝負が決まるスポーツなんて、時間に限りがあるサラリーマンが趣味でやっている限り永遠に勝てませんから。その点、頭を磨くのはいつでもできます。自分のゲームを反芻して「こういう時はこう打てば良かった」「ああ動くべきだった」などと考えています。

 ところが世の中のテニス好きには、僕のこういう志向と真逆の人がいます。すなわち駆け引きとか作戦とか苦手、と言うか、嫌い。純粋に自分の技術を磨いてスーパーショットを連発したい。その場合、勝負に負けてもテニスで勝っていれば良いという極端な人さえいます。野球で言えば大リーグのピッチャーのように真っ向勝負で100マイルの速球を投げ込んでホームランを打たれたら相手が上だった、というタイプ。日本の野球のように初球からスローカーブをボール球で、みたいは配球は存在しません。

 僕のようなプレーヤーが好きなショットというのは、ロブ、ドロップショット、アングルショット。タイミングを外すような緩いボールを打つのも好きですし、相手の逆を突くようなコースに打てると自ら「ナイスショット!」と言ってしまいます。逆にスピードボールでミスを誘ってもそれほど嬉しくありません。なぜなら次はタイミングを合わされてカウンターでさらに強烈なボールが返ってくる可能性が高いからです。

 サッカーのPKで豪快なキャノンシュートを放つロベカルよりも、GKの裏をかいてコロコロとゴールに転がす遠藤のシュートの方が好きです。いや、好きというか、それしか強敵に勝つ手段がないのです。今さら学生上がりの若い体力自慢に真っ向勝負挑んでも勝ち目はありません。使うのはあくまでも頭とメンタル、と言うか、底意地の悪さ。自分のテニスの一番の取り柄は性格の悪さだと思っています。素直で良い人はテニス弱いですから。

 もっともそれでも本当に強い相手には全く歯が立ちませんけどね。僕のようなレベルにおちょくられて負ける若者は、頭を使わないだけではなく、技術レベルもまだ低く、しかも精神面も劣っています。弱点を見抜かれて、徹底的にそこを突かれてミスさせられてイライラして自滅。その得意パターンにはまる相手を見ていると「若者よ、精進しろよ」と思います。ニヤニヤしながら。我ながら性格悪いです。

 とは言え、精進しないといけないのは実はこちらも同じ。年々衰えていく体力、筋力、視力、瞬発力、集中力、反射神経。そう言ったマイナス面をカバーするためには、ますますいやらしいオヤジのテニスを磨かなくてはなりません。まだまだ簡単には負けたくはないし、まだまだ上達できると思っていますから。

 

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